ママの家事育児時間はパパの7倍
パパの家事育児時間はあまり長くない、というのはよく言われることです。総務省の社会生活基本調査(平成28年)によると、
パパ 1時間23分(うち育児49分)
ママ 7時間34分(うち育児3時間45分)出典「平成28年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)
となっていて、負担割合は7倍もママが多くなっています。
NPO法人ファザーリングジャパンのホームページに紹介されているデータでは、海外との比較も掲載されていて、
アメリカのパパ 3時間13分(うち育児1時間5分)
イギリスのパパ 2時間46分(うち育児1時間0分)
フランスのパパ 2時間30分(うち育児40分)
ドイツのパパ 3時間0分(うち育児59分)
などとなっています。
パパの家事育児時間が増えた分、女性の家事育児負担が1時間以上減っていることになります。
いずれにしても、日本のパパの家事育児時間が短すぎることは、日本のママの負担が重くなっているということです。
体調を崩す前に見直すべき「家事育児負担」
先ほどの数字をよくみると「実質的な家事の担当時間」でも日本のパパが極端に少ないことが分かります。皿洗いか風呂洗い、ゴミ出ししかしていないようなイメージです。
これはどう考えてもママのストレスであり、体力的な負担となっています。イライラするだけなら、まだしも、全部負わされてかつ体調を崩して寝込んでしまっては大変です。
家事育児をママが過度に背負っているのは、病気のときなどのリスクでもあります。パパが何もできずにあたふたしていて、しょうがないので熱を出してふらふらのママがご飯を作った、なんてエピソードはよく聞きますが、私には笑い話には思えません。
しかし、原因の一部はママにもあります。パパに今までやらせていなかったこと、今の家事育児分担でよしとしてしまったことが、その理由になっているからです。もし体調を崩して倒れたときは、存分にキレて、今後の家事負担を見直すきっかけにしてください。
でも、そんなときではなく今のうちから家事育児分担を見直しておきたいのであれば、これから紹介するヒントを参考に、見直しプロジェクトをスタートさせてみましょう。
まずはパパの家事育児参加目標の「割合」を考えてみよう
ママがもし、パパにもっと家事育児に参加してもらいたいとしたら、最初に「どれくらい」やってほしいかイメージを持つといいでしょう。
最初に今はどれくらいやってもらえているか考えてみます。「だいたい10%くらい?」とか「なんとなく20%くらい」でもかまいません。
次に、夫婦間の年収差を考えてみます。たとえばパパの年収が500万円で、ママの年収が350万円であったとします。この場合、500:350ですから、稼ぎの比率はおおむね6:4ということになります。ということはパパにも4割くらいは家事育児をしてもらってもいい、と考えてみます。
パパが年収500万円、ママが年収250万円なら、家事育児負担割合は33%ということです。
これは、たくさん年収を稼いでいるなら、ある程度家事育児してもらえなくてもしょうがない、という納得を数字で作ってみるということでもあります。
しかし心配はありません。たいていの場合、試算した数字を夫が上回ることはほとんどないからです。
もし、実は共働きで夫婦間の年収が変わらない場合などは、パパはもっと家事育児するべきだ、と確認するための計算になります。
仮にパパが500万円、ママが450万円だったとすれば、47%は家事育児をやってもらわなければいけないはずです。
しかし、こういう家庭のパパは朝も夜も保育園の担当をしないし、ご飯を作るのも皿洗いも風呂洗いもしていません。残業のついでに気まぐれにお酒も飲んでいたりします。
まずは目標の「割合」を考えてみましょう。
なお、復職したてで年収が下がっている場合、転職活動をしながらパート等で働いている場合などは、今の年収で家事育児シェア割合を決めてしまうと、ママの負担は重くなってしまいます。むしろパパの負担割合を上げることで、復職後の年収増やキャリアアップに取り組む余裕を作らせてもらいましょう。