「20年ほど連れ添った夫と離婚したのは、家族に隠れて作った借金が発覚したから。

一人息子が就職したタイミングでそれを打ち明けられ、何に使ったのか問い詰めるとギャンブルだったことがわかり、とてもじゃないけれど一緒に返済する気にはなれず、離婚を申し出ました。

財産分与では『返済にあてたい』と話す夫に負けて慰謝料は諦め、折半することを決めて離婚が成立しました。

私は正社員でずっと働いていて貯金もしっかり残ったので、これを機会にひとり暮らしを始めました。

両親はすでに亡くなっていて、親代わりだった叔父と叔母に離婚を報告すると

『どうして離婚する前に相談してくれなかったの』

と責められたのが悲しかったです。

『心配させたくなかったから』と答えると、『離婚をひとりで決めるなんて』『考えが甘いのでは』と私が悪いような言い方で。

離婚は私の問題だし、夫の借金がわかったなんて恥ずかしくてなかなか伝えられず、言わなくても大丈夫だろうと思っていました。

でも、ずっと親身に寄り添ってきてくれた人たちで、相談されなかったら裏切られたような気持ちになりますよね……。

離婚後も変わらず付き合っていけると思っていたけれど、その後はふたりから電話が来ることはなくなり、私もどう接していけば良いのかわからなくなりました。

ふたりのショックを考えたらちゃんと話すべきだったと今は思うし、離婚がきっかけで疎遠になってしまったのが寂しいです」(50歳/公務員)

離婚について身内にどう説明するか、すべて終わってからの報告だと「話してもらえなかった」ことが距離を生んでしまうこともあります。

離婚は確かに自分の問題であり、やみくもに人を巻き込むのは筋が違いますが、お世話になった人なら経過を知りたいと思う気持ちも尊重したいですね。

時間が経ち、お互いに生活が安定している状態で、改めてお詫びとこれからについて話す機会を作るのが最善。

人の縁は大事にしたいからこそ、できた溝は時間をかけて埋めていく努力が重要です。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line