A氏によれば、粗悪品に近い商品でも大手家電量販店にもあるので、正直なところプロでも外面からだけでは見分けがつかないそうです。

「電池容量自身もそうだけど、過充電防止回路や過放電防止回路がついていないものは選びたくないね。特に過充電防止回路は必須じゃないかな。スマホの内蔵電池が満タンになってもまだ充電を続けると、最悪爆発する。それでなくても、過充電で電池が壊れてくれれば、まだマシだけど、スマホが過電流で壊れたら、もう最悪だね。

でも結構みていると、過充電で壊れているスマホを結構見かける。大抵原因は、どこでどう作ったかわからないACアダプタやモバイルバッテリーを使っていたということは多いよ。よくバッテリーをつないだまま通話している人とか、ゲームをしている人がいるけど、怖くて近寄れない。うちの店でもスマホが壊れたとクレームをいわれても、電池の返品だけで済ませる。そしてこっそり店頭にならんだ電池を卸業者に返品するんだよ」

確かに、あまりニュース等では見かけませんが、通話中や手に持っているときに爆発したら、最悪です。

まとめると、PSEマークの有無。そしてマークの形が正しいか。容量の割に体積が小さく小型・薄型でないか。(A氏によれば、書いてあっても搭載されているとは限らないということですが…)過充電防止回路がついているかが見極めの重要ポイントでしょう。

過充電回路の有無は、スマホ等の充電が100%になっているのに、まだモバイルバッテリーが充電中となっているかいないかで確認できます。トリクル充電で無い限り、100%になったら、過充電防止機能が働いて、充電がストップするはずです。

 

ダメダメな選び方3.更に恐怖の粗悪品をつかんでしまう

更に恐怖の粗悪品について、A氏曰く

「なかにはリチウムイオン電池と謳っておきながら、旧世代のニッケル水素電池を使っていることがある。でもユーザーはそこまで仕様を読まないから、買ってなにかおかしいなということになる。

ニッケル水素なら携帯電話(ガラケー)時代に使っていたから、まだマシといえるけど、粗悪品中の粗悪品は、中身がニッカド電池(ニッケルカドミウム電池)だったりすることもある。ニッカド電池はメモリー効果(注ぎ足し充電不可)も強いし、容量も少ない。しかも液漏れしたら、カドミウム(有害)が出てくるから、まさしく公称と全く違う。でもリチウムイオン電池使用とうたっているから怖い」

「あと問題なのが、書いてある電圧と電流を出力できない回路のものも最悪といえるかもね、充電が弱いならまだしも、電圧や電流が乱高下したりするとスマホの内蔵電池が劣化してしまう。また充電が強すぎる場合、電池だけでなく、最悪つながっているスマホを破壊してしまったりする」

怖い話ですが、実際にあった話で、不良品と戻ってきたものを、A氏が開封してみたら、中身がタダの乾電池で、1回しか使用できなかったり、9Vの角形電池が入っているだけだったりした例もあるそうです。大抵のスマホが5V充電ですから、9Vでは1.8倍の電圧がかかることになってしまいますね。

 

まとめ ネット上の評判を確かめてから買う

A氏いわくこれだけ多数のメーカーがあると、どれが良いバッテリーでどれが悪いバッテリーかは、正直判断に迷う。正直、店頭で見定めるより、モバイルバッテリーを買おうと思ったら、ネット上でどんな評判がでているかを探すのが良いとのこと。

実際に使ってみた感想・記事サイトは数多くあり、「下手すると、店員より詳しい情報がインターネットに書かれている」とA氏。間違っても衝動買いはしない方が賢明でしょう。

「よくわからないけど、まあいいか」で買って、危険な使い方をしていけない商品といえます。皆さんのモバイルバッテリーの選び方は大丈夫ですか?

Web制作会社・人材派遣/紹介会社・広告代理店の人事総務。人の人生を決めてしまう仕事という重責に押しつぶされ、ピロリ菌に感染していた胃が真っ赤っか。社屋移転の予算がないときは、自分でオフィスの配線を行い、感電して2週間入院したことも。現在は、中小企業向け人事コンサルティングを行う。孤独で相談相手がいない社長と朝まで激論を交わしたりするが、とにかく本に書いてある理論よりも現場がどうなっているのか、どうしたいのかを聞きまくるのが楽しくてたまらない。