一方、『ショムニ2013』は、独特の様式美は健在だったものの、2話以降の脚本があまりにもシステマチックに処理し過ぎた。やっぱり脚本家を総入れ替えしたのが失敗だったかも。原作がある作品とはいえ、ショムニのメンバーをあそこまで変えたのなら、キャラクターも少しは変えたほうがよかったと思う。10年ぶりの復活という話題性を考えれば、かなり期待はずれの作品だった。

期待はずれといえば、放送前の期待度ランキングで5位だった『ぴんとこな』も、視聴率では7話までの平均が7.31%とゴールデンタイムのなかでは最低の数字になっている。

ストーリーそのものは少女コミックらしさが全開でかなり面白いのに、歌舞伎を実際に演じなくてはいけないというところが若い役者陣にはハードルが高かったのかもしれない。恭之助(玉森裕太)のキャラクターはかなり可愛らしくて、普通の芝居の部分はけっこう楽しく見られるんだけどな。キャストにはちょっとかわいそうな企画だった。

 

続編も好調の『DOCTORS2』

テレ朝系の『DOCTORS2』は、初回の視聴率が19.6%と、唯一『半沢直樹』よりも高かった作品。15%台に落ちた回もあったが、終盤はまた回復して、平均では『半沢直樹』に次ぐ数字を残している。

個人的には相良(沢村一樹)が本気を出した終盤みたいなテイストは好きなんだけど、森山(高嶋政伸)絡みのドタバタはちょっと……。病院モノであそこまで極端に振る必要はないと思う。でもやっぱりテレビドラマでは、多少バカバカしい部分があっても、全体的には気楽に見られるこういう作品のほうが数字は取れるということだ。

同じ病院モノの『救命病棟24時』は、9話までの平均視聴率が14.59%で、視聴率では『半沢直樹』『DOCTORS2』に続いて3位。ただ、これは第4シリーズまで常に20%前後の平均視聴率を取ってきた作品なので、かなり物足りない数字となった。

江口洋介の不在が大きかったのは確かだけど、序盤の救命救急センターの雰囲気がちょっとあざとかったと思う。登場人物のキャラクターはもう少し検討してもよかったような気がする。

ちなみに、今期は『Woman』でも『DOCTORS2』でも『救命病棟24時』でも臓器移植がエピソードとして入っていたんだけど、その掘り下げ方がそれぞれに違っていて、なかなか興味深かった。良い悪いは別にして、この部分を比べるだけでも、自分がテレビドラマに何を期待しているかが分かると思うので、未見のものがあったらぜひ見て比べて欲しい。