(左から)玉城ティナ、竹内涼真、溝端淳平 (C)エンタメOVO

 竹内涼真が主演するゾンビサバイバルドラマ「君と世界が終わる日に」のSeason4が3月19日からオンライン動画配信サービス「Hulu」で独占配信される。本作は、ゴーレムと呼ばれるゾンビに占拠された世界を舞台に、主人公の間宮響が、仲間たちと共に生き残りを懸けた闘いに身を投じる姿を描く。Season1から響を演じる竹内と、Season4から本作に参加する玉城ティナと溝端淳平に、それぞれが演じたキャラクターの魅力や見どころを聞いた。

-いよいよ物語のクライマックスに向けた“ファイナル・プロジェクト”がスタートします。竹内さんにとって、本作はどのような作品ですか。

竹内 こうして映画化までコンテンツを続けることができてすごくうれしいですし、楽しみです。今回は、Season1、2のときにご一緒していたスタッフの皆さんが再びチームに参加してくださっているので、まさにオールスターで挑んでいます。そうしたこともあり、とてもいい環境の中で撮影に臨めているので、ワクワクしていますし、充実した撮影が行えています。

-それぞれが演じる役どころについても教えてください。まず、響は衝撃的なSeason3の結末を経てのSeason4となりますが。

竹内 ずっと助けようとしていた自分の恋人を撃ち殺すという、とても悲しい終わり方にも見えるSeason3のラストでしたし、演じる上でもとても難しいシーンでした。ただ、響は、いろいろな選択肢の中から、自分で彼女を撃つことを選んでいます。それは、彼女を失うことで何かを乗り越えたかったのだろうし、何かを生み出したかったからだと思います。もちろん、彼女を撃つということ、失った子どもにたどり着きたいという思い、自分はどう生きていけばいいのかという思いの中で、響はすごくもがいたと思います。そういった経験があって、Season4での響は、簡単に人を裏切るような行為を取るようになります。でもその生き方に確固たる自信がある訳ではないので、周囲にぶつけることで確認しているんだと思います。このSeason4の最終回で響がどんな人間になって、周りの人たちから何を獲得できるのかが、今回の僕のテーマです。

-そうした響を近くで見守り続けることになるのが、玉城さん演じる新山明日葉です。玉城さんからみて明日葉はどんな人物ですか。

玉城 とても優しい人ですが、自分の信念を曲げない強さもあり、りんとした空気を持っている女性だと思います。力で抑えるのではなく、彼女の持っている優しさと頭脳でコミュニティーのリーダーとなって、人々を率いる才能もあり、とても尊敬できる人です。ですが、響と出会ったことで、お互いにいい影響も悪い影響も与え合いながら、新しい明日葉になっていきます。

-溝端さんが演じる加州宗一は、明日葉の右腕として、彼女を守り、不思議な信頼関係で結ばれています。溝端さんは加州についてどう感じていますか。

溝端 加州は、いろいろなことを抑制している役だと思います。まだ詳しくは話せませんが彼にとっての唯一の希望であり、明日葉には明日葉らしく生きていくことを望んでいます。それが恋愛なのか、人間愛なのか、自分では分からないほど、彼女を大切に思っています。そんな中で、いろいろなものを失いながらも一つの希望に向かって走る響が現れて、不思議な三角関係になります。本能のままに生きている響と、全てを抑制して生きている加州の対比も面白いと思います。

-終末世界を舞台に、「生きる意味」を描いている本作ですが、皆さんの「生きがい」は?

竹内 僕は、撮影現場が好きなんです。熱量を持ったキャストやスタッフの皆さんと集まって、いいシーンが撮れた瞬間が仕事のやりがいでもあり、生きがいでもあります。

玉城 私は自分が自立していると思えたときに幸せを感じます。例えば、自分が働いて得たお金で、自分の好きなものを買ったとき。自分で買ったというのは、自信にもなるんです。年に1回、自分にご褒美を買ったりもしています。

溝端 僕は、演劇をやる機会も多いのですが、舞台上の僕たちの集中力とお客さんの集中力が一気に高まった瞬間を肌で感じたときに、生きているなと思います。毎日同じ芝居をしていても、そのときのお客さんの空気や自分たちのちょっとした変化で全然違うものになるんです。お客さんが前のめりになっているのを感じるとこちらの芝居のテンションも上がります。それが生きがいにもお芝居へのエネルギーにもなっています。

-改めて作品の見どころを。

竹内 響の人生がどう動いて、周りの人間たちとどんな人間関係を育んでいくのか。そして、一番大切に思っている娘のミライをどうやって取り戻すのかに注目していただきたいです。僕は、シリーズを通してSeason4の脚本が1番好きなんです。それぞれの人物の思惑や考え、心理の描き方に余白があるので、受け取り方によって違う一面も見えてくると思います。ぜひ、視聴者の方たちにその余白を埋めながら見てほしいと思います。

玉城 血みどろのサバイバルが描かれる中、人間の見せたくない部分をさらけ出していく話ですが、その中にあっても明日葉は汚れのない、どこまでも人間の清いところを信じている人物です。私も明日葉のようにすさまずに、この撮影を最後まで走り抜けたいと思います。

溝端 たくさんのキャラクターが出てきますが、面白い人物ばかりです。人間らしさや本能といったものもそれぞれに描かれていますし、すごくリアリティーのあるストーリーになっていると思います。まさに竹内くんが言った“余白”がある台本だからこそ、僕たちの演技でより面白いものになると思っています。演じながらも、これはすごいものができる、と感じているので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 「君と世界が終わる日に 入門編 完全新作SP」は3月19日午後10時30分から日本テレビ系で放送。SP放送終了後から、Huluで「君と世界が終わる日に」Season4が独占配信開始。