「付き合わなくて本当によかったなと思ったのは、俺が働くお店にお客さんとして通っていた女性。

礼儀正しくて問題など起こさないし、俺をつかまえて一方的に話すみたいなこともなくて、いいお客さまとして大切にしていたつもりでした。

ひとりで飲みに来ることも多くて、そのときでは空いた時間にプライベートな話をすることもあったけど、特に恋愛感情が芽生えることはなく。

向こうもそうだろうと思っていたらある日いきなり『付き合わない?』と言われ、驚いたけれどその気になれないので断るしかなく、もう店に来なくなるのも覚悟で『ごめんなさい』と伝えました。

彼女はショックを受けたのかその日はすぐ帰ってしまい、仕方ないよなと思っていたのですが……。

意気消沈していた姿が心配で、彼女がSNSを好きなことは知っていてアカウントも見たことがあったので、店が終わってから検索してみました。

見覚えのあるアカウントはすぐに見つかったのですが、投稿を見ると『いけると思っていた男に振られて悔しい』『思わせぶりな態度で通わされた』『時間とお金を返してほしい』みたいな恨み言が並んでいて、ドン引きしましたね。

リプライで同性らしき人が『飲み屋はそんな男ばかりだよね』と返していて、告白を断っただけなのに何でここまで言われないといけないのか、怒りも湧きました。

いかにも俺が悪者みたいな書き方ばかりされ、こんな女性と付き合ったらSNSで何を暴露されるか、本当に怖いなと思いましたね」(男性/36歳/飲食業)

お店の店員とその客、という立場での恋愛は、大事にされる自分を実感する客側のほうが勘違いを起こしやすく、いざ告白して振られてしまうと恨みが強くなるのを見ます。

匿名で投稿できるSNSは愚痴を吐くにはいい場所かもしれないけれど、同時に誰が見るかわからないのも事実で、相手に知られてしまえばそれまでの信頼も一気に地に落ちるもの。

「付き合わなくて正解」と思われる自分を、みずから作っているのですね。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line