魚への本気度が違う!『築地魚弁』

『築地魚弁』「海苔弁当(ハラミ白醤油焼)」1480円(税込)

そして、最後に『築地魚弁』の「海苔弁当(ハラミ白醤油焼)」をいただきます。税込1480円と、今回食べ比べた3ブランドの中では最も高額となる「高級のり弁」です。

『築地魚弁』は大正14年創業の老舗で、「旨い魚」と「旨いめし」をテーマに、「どこよりも美味しい焼魚弁当」を提供したいという思いで開業したと言われています。

もちろん、海苔にもこだわりがあり、他のブランドにも負けず劣らずの味わいなのだとか。さっそくいただいてみましょう。

海苔の風味とご飯のバランスが最高です

まず嬉しいのが、「おかず」と「のり弁」が別体になっているところ。それぞれの素材を、混在させることなく個々に味わってほしいという『築地魚弁』の思いが感じられます。

海苔は他ブランドよりも厚めのもので、このためご飯に対する海苔のインパクトが強く、より贅沢な風味が口いっぱいに広がりました。

また、もう一つの主役の焼魚・ハラミ白醤油焼きのクオリティがとにかく高く、脂乗りが素晴らしく、白醤油によって、旨みも十分引き出されているように感じました。

この他、厚焼玉子、煮物、ひじきの当座煮、タケノコの山椒煮、さくら大根と、バランスよく盛られており、インパクトや食べ応えというよりも、かなり贅沢な素材を一つの弁当に詰め込んだ印象を受けました。

「高級のり弁」という概念で言うと、最もストイックな印象を受けましたが、本物の味わいを求める食通の人には特にオススメのように思いました。

築地魚弁

一口に「高級のり弁」と言っても、ブランドごとに個性・優位性がまるで違った!

ここまで3ブランドの「高級のり弁」をいただきましたが、どのブランドの弁当もかなり美味しく、感動することの連続でした。一方、その個性はそれぞれ異なるようにも思いました。

ボリューム満点、コストパフォーマンスの良い「高級のり弁」を求める人なら『海苔弁いちのや』が一番オススメです。

また、「海苔のおいしさ」「ご飯のおいしさ」を楽しみたい人なら『刷毛じょうゆ 海苔弁山登り』が一番オススメです。さらに、海苔は含めた、「海の具材」全てのハイレベルの味わいを求める人なら『築地魚弁』がオススメです。

このように、一見同じようにも映る「高級のり弁」ですが、ブランドごとに個性・味わいが異なるため、好み次第で選んでみると良いようにも思いました。

ここまで読んでくださったあなたはどの「高級のり弁」が気になりましたでしょうか。ぜひあなた好みの「高級のり弁」を見つけて、その味わいを存分に楽しんでくださいね。

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・デコ有限会社を設立。 出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタテインメント、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある。