公的年金ってそもそも何?

年金を受け取るタイミングについてお伝えする前に、改めて年金制度についておさらいしましょう。

多くの方は、年金と聞くと「老後になったら国からもらえるお金」というイメージがあると思いますが、なぜ老後になったら国からお金がもらえるのか考えたことはあるでしょうか。

現役時代に厚生年金に加入しているからもらえて当たり前なのでしょうか。また誰もが必ずもらえるものなのでしょうか。

公的年金とは、一言でいうと、障害時や遺族の生活保障というオプションが付いた長生きリスクに備えた「保険」と表すことができます。

保険とはどういうものかというと、加入者がお金を出し合って一定の条件を満たした人が受け取る相互扶助の仕組みですよね。

みなさんに馴染みのある生命(死亡)保険で例えてみましょう。

自分に万一のことがあった場合、遺された家族が路頭に迷わないように一定の生活費を保障するために加入しているかと思います。損得勘定で考えたら、支払ってきた保険料より保険金額が少なければ(または全く支払われなければ)損だということになりますが、保険期間内に死ななかったから損だといって、自ら命を絶つことはないですよね?

公的年金も同じです。一定の条件(生きている限り)を満たした人が受け取れる仕組みであって、条件を満たさなければ(亡くなってしまったら)支払われない仕組みと考えると、生きている間はずっと受け取れますし、亡くなったら受け取れなくなる。ただそれだけのことなのです。

私たちの人生には、自分や家族の加齢、障害、死亡など、さまざまな要因で、自立した生活が困難になるリスクがあります。こうした生活上のリスクは、予測することができないため、個人だけで備えるには限界があり、社会全体で支える仕組みとして公的年金があると考えましょう。

いかがでしょうか。そもそも損得勘定で考える性質のものではないと言うことはご理解いただけたのではないでしょうか。

とはいえ、老後の不安を少しでも和らげたい、安心した老後を送りたいと思いますよね。
それを実現できる可能性があるのが「繰り下げ受給」です。