未知の才能に出会える

『僕の帰る場所』©E.x.N K.K.

もうひとつ、この映画祭の魅力を挙げるならば「新しい才能に出会える」という点です。

数々の良質な映画を観てきている行定監督が「昨年、出会って、衝撃をうけた映画監督の作品」をこだわりをもって選定しています。

なかでも4月7日に上映される映画『僕の帰る場所』は難民認定が許されず、家族離れ離れに生きる運命を背負ったミャンマーの家族の知られざる実情を浮き彫りにした問題作として、昨年の東京国際映画祭で上映され、「アジアの未来」部門の作品賞と国際交流基金アジアセンター特別賞をW受賞した秀作です。

映画祭にあわせて、プロデューサーも来場予定。ぜひなかなか観れない世界の秀作映画にこの機会に触れて、視野が広がるきっかけになればと思います。

『アイスと雨音』©2017「アイスと雨音」製作委員会

また日本映画では若手の注目の才能として、松井大吾監督がラップグループMOROHAとタッグを組んだ74分ワンカットの青春譚『アイスと雨音』、JRAやソフトバンクのCMなどを手がけていてた気鋭の演出家、森ガキ侑大の初監督作『おじいちゃん、死んじゃったって』、 曽我部恵一出演、工藤将亮監督 / 古舘佑太郎さん主演『アイムクレイジー』が上映されます。

こちらも監督や出演俳優たちが来場するので、ぜひ感想や質問などをこの機会にぶつけてみては。

チケットがなくても「無料」で気軽に参加できる企画も!

映画祭といえばチケットがないと…、と思いがちかもしれませんが、当日思い立って気軽に参加できるイベントが、くまもと復興映画祭では満載です!

『うつくしいひと』『うつくしいひと サバ?』のスピンオフとして、作られた行定勲監督の新作『いっちょんすかん』は6日(金)は熊本城、8日(日)は熊本市民会館にて、それぞれ無料上映されます。

『いっちょんすかん』©2018SSTF

『うつくしいひと』『うつくしいひと サバ?』はそれぞれ、熊本地震の前後を背景にしたドラマでしたが、『いっちょんすかん』は地震後に避難所に集まった人たちの悲喜こもごもが描かれた心温まるハートウォーミングな作品に仕上がっています。

主人公の米村亮太朗、倉科カナ、友情出演の斎藤工、高良健吾らが上映会場に登壇するので、ぜひ制作の裏話を聞いた上で、映画を楽しんでみては。

コロッケ

ほかにも4月6日(金)の熊本城二の丸広場で開催される開会式では、オープ二ングアクトとしてMOROHA。

ゲストになんとコロッケが来場予定、歌にトークショーと盛りだくさんの内容になりそうです。

柴田隆浩(忘れらんねえよ)

そして2日目の菊池会場で開催される【きくちの夜会】では恒例の「忘れらんねえよ」柴田隆弘のライブ(無料)も予定されています。

さらに体力がある人は同日の23:00から、望月旅館で開催される「真夜中の映画祭」もおすすめです。

ミルクマン斉藤、本広克行、行定勲による「真夜中トーク」は、映画祭の夜をより、ディープな思い出にしてくれそうです。

ほかにもサプライズゲストがあるかもとのこと。

作品情報の詳細、チケット情報などはくまもと復興映画祭の公式HPを参照してください。

映画を通してさまざまな出会いが生まれる場としてぜひチェックしてみては。

ウレぴあ総研・編集長。雑誌『ぴあ』映画担当を経て、MOOK『ガンダムぴあ』『仮面ライダーぴあ』『スーパー戦隊ぴあ』『映画遺産ぴあ』を刊行。趣味は温泉、銭湯めぐりとおいしいお酒を飲むこと。