元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛がトリプル出演する話題の映画『クソ野郎と美しき世界』。本作は、3人がそれぞれに出演する3つのエピソードと、全員が一堂に会する最終エピソードからなるオムニバス・ムービー。
3人の持ち味と魅力が気鋭のクリエイターや映画監督によってどんな形で開花するのか? ファンはやっぱりそれが気になる。そこでここでは特にそこにスポットを当てて、撮影現場の模様や彼らと監督、共演者のコメントを紹介していこう。
映っているのは、ほぼ普段の僕のまま(香取)
香取慎吾が出演するepisode2『慎吾ちゃんと歌喰いの巻』は、歌を食べて生きる謎の少女“歌喰い”と彼女に歌を食べられて唄えなくなったアーティスト=“香取慎吾”との不思議な関係をリアルとファンタジーの絶妙なバランスで描く一編。
監督・脚本の山内ケンジは元CMディレクターで、15年の舞台『トロワグロ』では第59回岸田國士戯曲賞を受賞、映画『友だちのパパが好き』(15)、『At the terrace テラスにて』(16)などでも注目を集めた異才だが、17年前の『Smap Short Films』の中の一編『治療』でもタッグを組んだ香取が主演とあって、「僕が脚本に落とし込むときに、主人公を香取慎吾本人にして、絵を描いているという設定を加えました」と独自のこだわりを強調する。
香取慎吾が香取慎吾を演じる。ファンにとってそんな嬉しいことはないし、香取も「『治療』のときだって“慎吾ちゃん”役だったから、今回“香取慎吾”役と聞いても驚かなかった。それに何もしなくていいから、すごく楽ですね。自室のセットには僕が描いた絵が飾ってあるし、映っているのはほぼ普段の僕のままなので、それはありがたかった」と笑顔を見せる。
香取が公私にわたってたくさんの絵を描いていることはファンなら周知の通りだが、本作では山内監督たっての希望で、香取がこれまでに描き溜めた実際の絵画が“香取慎吾”の自室のシーンの壁や棚に飾られ、その中には彼がよく描いているという“黒うさぎ”の絵もあったりするのだ。