赤ちゃんの汗腺の数は大人とほぼ同じ
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、平熱は37度前後と高め。体の表面積は小さくても汗腺の数は大人とほとんど同じで、200万~300万個あります。
一般的な成人の2~3倍も汗をかくそうで、発汗量のイメージとしてはホンジャマカの石塚さんが近い感じ。よって赤ちゃんにベストな冬の室温は20~23度と、大人は少し涼しいと感じるくらいになります。環境省が提唱するウォームビズのエアコン設定温度程度です。
赤ちゃんの洋服の枚数は多くの育児書・育児サイトでは「大人と同じか1枚少なめ」を薦めています(新生児のころは大人より1枚多め)。
足元が冷えがちな親としては、赤ちゃんに靴下をはかせてあげたくなりますが、赤ちゃんは手足から余分な熱を逃がしているため、暖房の効いた室内であればはだしがベター。足付きのウエアや保温性の高い化学繊維は暑すぎる場合があります。
赤ちゃんの手足が冷たくても、おなかや背中が冷えていなければ心配無用。体幹温度が高いと感じるときは、背中が汗ばんでいないかチェックしてみましょう。
着せすぎあるある
冬なのに赤ちゃんが汗をかいてしまうシチュエーションで多いのが、ショッピングモールなどでのお買い物です。
防寒のためにモコモコのアウターを着せて、ベビーカーへ。ところが長時間、屋内で買い物をしていると暑くなってきます。親は自分の上着は脱ぐものの、赤ちゃんはなんとなくモコモコのまま。ベビーカーで寝てしまったら、さらにひざ掛けをオン。帰ってきたら、あせもができていたということも……。
繰り返しになりますが、ベビーカーに乗っているのは、小さくなったホンジャマカ石塚(=暑がり)とイメージしてみましょう。「寒いかしら?」ではなく「暑いかしら?」と心配するのが正解です。
なお屋内施設へ出かける場合は、つなぎのアウターよりも脱ぎ着させやすい上着のほうがおすすめ。屋内では上着を脱がせ、もしも寒さが心配だったらベストや薄手のカーディガンなどで調節します。靴下は状況によりけり。室温が高い場合は脱がせてあげたほうが気持ちいいこともあります。
外出時に厚着をさせてしまう原因のひとつに「寒い=風邪をひく」といった思い込みがあります。でも風邪の原因はほぼウイルスによるもの。低温になると体の免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなることはあるけれど、冬の寒さを心配しすぎなくても大丈夫です。
まねする必要はありませんが、ロイター通信によると、ロシアの幼稚園では氷点下25度の中、子どもたちが水浴びをするのが日課だそう。
赤ちゃんを着こませるよりも、なるべく人込みを避けたり親が手洗いうがいを徹底したりして、ウイルスを家に持ち込まないようにするほうが、よほど風邪予防に有効なのです。