「娘ふたりは嫁いでいき、今は夫とふたりでのんびり暮らしています。
県外に出て就職し結婚した長女は、『なかなか帰れないから』と帰省のたびに私と夫の好きな和牛を持ってきてくれるのですが、これがちょっと負担で。
『地元で有名なの』『通販でもなかなか買えないのよ』と言う娘の気持ちは本当にありがたく、もらうたびにしっかりお礼は伝えるのですが、50代になるとサーロインのように脂身の多いお肉はつらいのですよね……。
高いものだし娘は親孝行のつもりだし、文句ではなく気持ちの方向を変えようと『いつもお肉じゃなくてもいいのよ』とやんわり言っています。
すると『牛肉はタンパク質が多いし、お母さんたちの年代ほど食べなくちゃ』と娘は返してきて、本当に私たちのことを考えてくれているのですよね。
先日のお盆もまたお肉やソーセージなどを買ってきてくれて、夫が『さすがに胃にもたれてきたな』と本音を口にしたら、『運動でもして体力作りに励めば?』とあっさり返されました。
正直に言えば夫はもう飽きていて食が進まず、娘が帰った後、ご近所さんにおすそ分けしました。
親孝行したい気持ちは本当にうれしいけれど、そればかりになるとちょっと気が重くなりますね」(50代/小売業)
親の好きなものを楽しんでほしいのが子どもの気持ち。
一方で、ありがたいけれど、ものによっては負担にもなるのが親の事情です。
年齢が上がれば好みも量も変化するので、そこをもう一度きちんと話し合うのがいいのかなと感じます。
せっかくの気持ちなら、お互いに気持ちよく受け取りたいですね。