「何やっているの?」「早くしなさい!」。一日に何度、子どもを怒っているだろうか。
子どもは「魔の2歳児」を経たのち、5~6歳ごろになると生意気盛りの「ギャングエイジ」を迎え、小学校中学年には口答えばかりをする「中間反抗期」に突入。中学生以降は思春期に第二次反抗期と、なんだかもう親に反発ばかりしている。ついには親が怒りの感情をヒートアップさせて、叱りすぎてしまうことも……。
そこで今回は、良好な親子関係を築くため、今話題の心理教育「アンガ―マネジメント」を取材した。
「怒らない親」ではなく「怒るべきときに怒れる親」をめざす
「アンガ―マネジメント」は、1970年代にアメリカで誕生した「怒りの感情(アンガー)と上手に付き合う(マネジメントする)」ための心理的なアプローチ方法のこと。
「怒らない親」になるのではなく、あくまでも「怒るべき場面でちゃんと怒り、怒らなくていい場面では怒らないことを身に着けることが目的」と、日本アンガ―マネジメント協会の代表・安藤俊介さんは話す。
「怒りの感情は、自分が信じている“すべきこと”が裏切られたときに湧いてきます。たとえば『机の上は片付いているべき』と考えている親は、子どもの机が散らかっているのを見ると怒ります。
ただ、怒りの感情は機嫌に左右されやすいもの。ある日は見逃したのに、別の日は激しく怒るといったことが繰り返されると、子どもは何が正しいのかがわからず混乱します。親は怒ることと怒らないことの区別をはっきり分け、ボーダーラインを動かさないことが大切です」
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