「結婚して近くに住む次女は、若い頃はいわゆるやんちゃで手を焼きました。学校から抜け出したり無茶なファッションをしたり、情緒が不安定で私も夫も対応に追われる時期が長かったですね。
それでも、デザイナーの夢を見つけてからは心を入れ替えてしっかり勉強し、専門学校も真面目に通って卒業し今は市内でも大手の企業で働いています。
結婚相手は同じ会社の男性で、礼儀正しく私たちのことを大切にしてくれて、昔の大変さは遠い昔のようです。
それはいいけれど、困っているのは娘の私たちへの過剰な心配。
私は仕事で関節を痛めているのですが、調子が悪いと言えば湿布や漢方薬を買ってきてくれたり、評判のいい接骨院に連れていこうとしたりします。
夫が腰を痛めたときはすぐにサポーターを買ってきて病院に引っ張っていこうとして、ゆっくりしていたい夫と小さな悶着がありました。
『私のせいで昔は迷惑をかけたから』と娘は言うし、そのお返しで親孝行を考えてくれるのは本当にうれしいけれど、押し付けの域まで来るとありがた迷惑です。
私たちの『大丈夫だから』と聞こうとしない娘とは今もちょくちょく喧嘩になり、娘は娘で気持ちを受け取ってもらえないことが悲しいのでしょうね。
でも、結婚したのなら自分の家庭が第一で、それは娘にもお婿さんにも伝えています。
実家に関わりすぎるのは良くないというのが私の考えです。
親孝行は別の形でもできるし、娘にはもっと広い視野で考えてほしいですね」(40代/調理員)
昔の自分を反省し、年をとった親の世話を焼きたがるお子さんの気持ちはわかります。
それが愛情だとしても、親にとっては大げさだったり余計に大変になったり、どこまで手を出すかの加減が難しいところです。
それでも、こちらの女性の言う通り自分の家庭を大事にするのが一番であり、両親にはほどほどに意識を向けることも考えたいですね。