実験2 さらに無視し続けて、パーティを精一杯楽しんでみる
●1時間経過
家の中にいるメンバーは思いっきりパーティを楽しむ。外にいる杉浦社長に楽しさを届けるため、大きな声で歌って、騒ぐように心がけるのが検証のポイントだ。
何度もインターホンを押し続ける杉浦社長。じっとドアを見つめ呆けた表情になっている。
すでに悲しそうではあるが、社長の動じない鉄の心を信じて検証続行。
●2時間経過
女の子がいるパーティは超盛りあがる! しかも、こんなハイな衣装で楽しめない奴なんてこの世にいるの!? ドアを叩く音が聞こえるが無視無視!
室内から聞こえる楽しげな声に耳を傾ける杉浦社長。
悲しさからか、顔の陰影がモヤイ像よりもすごいことになっていた。
そろそろ辞世の句を詠みそうな雰囲気だ。
●3時間経過
このあたりからもう杉浦社長のことはどうでもよくなってきて、参加者全員が純粋にホームパーティを楽しんでいた。チキン最高ー! ビーフシチューうめー!
杉浦社長はまだいた。
とうとう持参していたクラッカーをひとつ鳴らし、力なく壁を叩いた。
そして、「うぅ…」と嗚咽を洩らし、その場に崩れ落ちてしまった……。
検証結果:とても悲しい気持ちになった
当初の予想を裏切り、杉浦社長は悲しい気持ちになり、その場に膝から崩れ落ちるという結果となった。
また、ホームパーティに誘っておいて家の中に入れなかった人は「モヤイ像顔負けの陰影が発生した後、クラッカーを鳴らして帰宅する」という貴重なデータを得ることができた。
しかし、いくら社長の器が大きいといっても、楽しいホームパーティに誘われておいてドアを開けてもらえないと悲しい気持ちになってしまう。しかも、部屋の中からは賑やかな声が漏れてくる始末。そんな環境で自分だけがハブられていると、1ミリも楽しくないようだ。知らなかった。
この検証が読者諸君のビジネスシーンにおけるヒントになれば幸いである。
※本記事は「ウレぴあ 2012年 3月号」(2012/1/25発売)の記事を再掲載したものです。
(取材先のプロフィールは現在と異なる場合がございます)