自分への「関心のなさ」

交際は順調で、割り勘が基本だけどお互いに無理のない出費でできるお出かけを決め、楓さんの手料理を楽しむお泊りデートもあって、ときには自分について真面目な話もできる対等なお付き合いだったそうです。

「仕事でも何でも弱音を吐きづらい」ところが楓さんにはネックで、自分も彼氏と同じように体調の悪さを伝えなくなったことや、精神的に疲れたから甘えたいなと思っても「依存されていると受け取られたらどうしよう」と不安になってわがままも言えないことが、寂しさを深くしていました。

残業続きで「ゆっくり寝ていたいから」とデートを断られたある週末、「そんなときは私にもある」と思った楓さんは「何かほしいものがあったら持っていくね」と彼氏の体調を気遣ったつもりでメッセージを送ったら、

「自分で何とかするから大丈夫だよ。今日も明日も会えないから、楓もひとりの時間を楽しんでね」と返信があり、また落ち込みます。

「ゆっくり寝たいから私の相手ができないことを伝えるのはいいけれど、『ひとりの時間を楽しんでね』は余計なお世話だなと感じました。

私なら『この週末はどう過ごすの?』って尋ねます。気になるので。会いたくなったら誘うかもしれないじゃないですか。

そういう気持ちがいっさいない、自分は会わないと決めたからそっちもひとりで楽しんでねって、何ていうか私に関心がないのではと感じてしまって」

この「無関心」は以前から湧いていた不安で、「データの入力が終わらないから今日も残業」と彼氏にメッセージを送ったら、「がんばってね。俺は今から同期とあの◯◯で飯を食ってくる」と自分の楽しい状況を当然に伝えてくる姿など、「自分ならこれは言わない」を見せられることに好かれている実感が薄くなっていくのでした。

寝ていたいから彼女の存在はずっと不要。会いたいと思う可能性もなくて彼女がどう過ごすかは気にもしない。

これが楓さんから見た彼氏の状態で、そう受け止める自分がおかしいのか、寂しいと感じるのは「求めてほしい」という彼氏への依存なのか、苦しかったといいます。