「子どもに中学受験させる理由が、実際には子どものためにではないことで、子どもとその後に険悪になってしまうことがあります。実際に私がそうでした。
中学受験をさせるという周囲の話を聞いて息子を中学受験させることに決め、その後は『他の子よりもいい学校に行ってほしい』とか『親戚に志望校を言ってしまったので頑張ってほしい』とか、子どものことをあまり考えていないような理由で勉強させていた気がします。
息子は志望校に受かって、我が家の体裁は保たれたのですが、そういう体裁だとか邪な考えは子どもに伝わってしまうのですよね。
てっきり息子は大学に進学するものだと思っていたのですが、全く想像もしなかった分野の専門学校に進学すると言い出しました。
このときは体裁などではなく、純粋に『もう少し色々勉強して将来を決めてみたら?』という気持ちで大学進学のほうをすすめたら、『もう十分見栄張れたしいいでしょ』と嘲笑気味に言われてしまって……。
表向き、私と普通に接していた息子ですが、親の見栄や周囲との比較に使われたことがずっと気になっていたようです」(専業主婦/45歳)
この場合、厄介なのが、リアルタイムで親が過ちに気が付きづらいことです。
中学受験は、子ども自身が勉強するだけでなく親の伴走も重要になります。子どものために行動する場面が多くなるため、受験の理由も根底に周囲に流されて受験することや親の体裁などがあっても、「子どものため」と勘違いしてしまうのです。
まず自分の中にある邪な理由が自分の中にあることを認識しましょう。そうでないと、その気持ちを上手に隠しながら受験に向き合うことはできません。