約束を守る夫。しかし…

そして美乃梨さん夫婦はその後、どうなったのでしょうか?

夫も誓約書を交わした以上、三つの約束を守るため、携帯をロックせずに妻がいつでも見ることができる状態にしたり、自分の時間を削って渋々、家族と出かけたり、妻に対して優しく接したりしてくれたそう。

私は「不倫のことを完全に忘れるのは無理でしょうが、いったん過去のことを水に流し、不倫以前と同じように旦那さんと接しないといけませんよ」と注意しました。しかし、「心ここにあらず」という感じがにじみ出るので痛々しい感じで、夫婦の会話はいつもぎこちない感じに。

致命的だったのは美乃梨さんが夫婦喧嘩の最中、夫が少しでも言い返そうものなら「不倫した分際で何なの!」と一喝してしまったこと。そう言われてしまうと夫はただただ平謝りするしかないのですが、結局のところ不倫のことを根に持って、水に流さず、事あるごとに蒸し返すのは美乃梨さんの方だったのです。

これでは夫婦の間に会話がなくなり、一緒に行動せず、そしてセックスレスに陥るのは当然のこと。夫婦の性生活は義務的な感じで愛情を感じることはできず、2人目を授かることはなかったのです。

このように不倫によって夫婦間に生じた亀裂は、4年間の努力で塞がるどころか、むしろ深まってしまったのです。私が「これからどうするつもりですか?」と尋ねると美乃梨さんは首を横に振ります。

せっかく不倫という最大級の危機を乗り越えたのに、その後の結婚生活を4年間も全うできずに、2人は「離婚」という結論に至ったのです。

美乃梨さんのように不倫発覚から数年後、今度は「性格の不一致」で離婚するケースは決して珍しくありません。なぜなら、一見すると不倫をする前に戻ったように見えても、実際は戻っていないからです。

例えば、夫は弱みを握られているので何も言えなくなるし、妻は少しでも気に入らないと「元はと言えば!」と蒸し返してくるし、何より不倫の過去を引きずったまま夜の営みを行うことは難しいからです。

確かに美乃梨さんは不倫の被害者、夫は加害者です。努力すべきは夫だというのはもっともですが、だからとって妻が何もしなくても良いわけではありません。

被害者なのに努力するのは理不尽かもしれませんが、結婚生活を続けるには双方の努力が必須なのです。

1980年生。国学院大学卒。行政書士・FP。離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、会員は6千人を突破。バナナマン設楽さんの「ノンストップ」、明石家さんまさんの「ホンマでっかTV」、EXITさん初MC「市民のミカタ」などに出演。「STORY」「AR」などファッション誌にも登場。著書は「婚活貧乏」など11冊。