「助けが必要なら伝えてね」で線を引く
フキハラをする人は声をかけられるまでその自分を貫き、相手をしない人を責めます。
「つらそうな人間を見て放置するのか」など文句を言われたら、「助けが必要ならそう言って」とまずは返しましょう。
具体的にしてほしいことも口にせず、イライラを表に出したまま「大丈夫?」と労られる自分を見たがるフキハラ体質の人には、あえてこちらから線を引くのが有効です。
「何かあったの?」と尋ねるとそれに乗って自分の事情を話し慰めを求めてくるので、質問形ではなく「助けがいるときは伝えてね」「私にできることがあれば言ってね」と言い切りで伝えます。
これは「あなたの不機嫌さには付き合わない、でも助けが必要なら力を貸すよ」という、状態を引き受けることと解決への手助けは別の問題という分離です。
フキハラをする人の目的が「機嫌を取ってもらうこと」なら、それを叶えるのを避けるのと同時に「でも、SOSを伝えてくれたら無視はしない」というこちらのスタンスも伝えられます。
フキハラをする人は、相手にこう返されると「次のアクションは自分が取らなければいけない」と気がつくため、不機嫌さをアピールすることに窮屈さを覚えます。
相手が「助けるよ」と言っている以上は、不機嫌な状態を解決するために無言の甘えは通用せず、こちらから手を伸ばさない限り相手にしてもらえないと気がつくのですね。
ここで機嫌を取らせることを諦める、嫌味が止まるケースも実際にあります。
不機嫌を放置したうえに何も助けない、ではなく、不機嫌さには付き合わないけれど助けが必要なときは手を貸すよ、というスタンスは、フキハラをする人にとっては居心地の悪さを覚えるのですね。
これが境界線であり、相手の怒りの様子に巻き込まれず不要な負担を避けるテクニックです。