理由は二つ考えられます。
●糖質制限は消化に悪い炭水化物を食べなくて済む
実はご飯や麺類、パンなどは、数時間は胃の中にとどまります。印象と異なり、消化に悪いんです。たとえばお酒を飲み過ぎて嘔吐したとき、ご飯や麺類ばかりが目につきませんか?
逆に、肉や魚は、数分から数十分で胃の中から消えてしまうそうです。糖質制限をすると、これらタンパク質を中心に摂取することになるので、消化器に負担をかけずに済みます。どうもこれが影響しているのではないか、と言われています。
●糖質制限は血糖値の上下動をおさえられる
もう一つの理由は、血糖値の上下動です。炭水化物(糖質)が体内に入ると、血糖値が上がります。血糖値が上がり過ぎると人体に悪影響になるので、体内でインスリンが追加分泌され、血糖値を下げようとします(糖を中性脂肪に変える=体重増加)。
うまいこと血糖値をアジャストできればいいのですが、反動で一時的に低血糖になってしまうケースがあるそうです。この低血糖が、眠気の要因になります。
つまり、炭水化物(糖質)が体内に入らなければ、血糖値の上下動が起こらないので、眠気もこない、という理屈です。
●車の運転で眠くならない応用ワザも
応用すると、長時間ドライブで眠くならない、というワザも使えます。
高速道路サービスエリアのレストランやフードコートは、これでもか! というくらい炭水化物だらけです。定食、丼もの、麺類、パンなどなど。これらは無視して、たとえばフランクフルトだけ食べてください。
私は、こども連れで出かけることが多いので、長距離の運転をけっこうするのですが、ガムもコーヒーも必要なくなりました。
なお、ソフトクリームやチョコレートなど甘い物には、炭水化物(糖質)がたっぷり含まれています。疲労回復効果はあるのでしょうが、低血糖による眠気も引き起こします。ゆっくり休憩する時間があるのならいいですが、眠気覚ましには逆効果の可能性があると覚えておいてください。
2. 睡眠時間が少なくても平気になった
私は昔から睡眠不足に弱くて、6時間以下の睡眠時間では、あきらかに頭や身体の動きが鈍るのを実感していました。加えて、寝付きも悪いので、特に会社勤めの時代には、いかに睡眠時間を確保するかに必死になっていたのを覚えています。
ところが、糖質制限を始めてから、1日4時間の睡眠で問題なくなりました。もちろん、昼食に炭水化物を食べさえしなければ、昼間に眠気がくることもありません。
これは正直、理由がよくわかっていません。糖質制限をすると体力が付く、みたいな言われ方をするケースもありますが、あくまでも体感での話であり、理屈が伴わなければ主張するのは憚られます。
一つ、糖質制限者の中でよく言われているのは、ダイエット効果にともなう、睡眠時無呼吸症候群の軽減です。睡眠時に、脂肪の重さのせいで、上気道が狭くなり、呼吸が詰まって安眠が妨げられるケースがあります。
いびきをよくかく人が該当するとされます。実際、15年以上一緒にいる妻に聞くと、私はいびきをかく人で、しばしば呼吸が止まる瞬間を目撃していたそうです。が、最近は、「そういえば、呼吸が止まっているのを見ない」と言っています。
もちろん、自分では確認できず、妻も一晩中監視しているわけではないので、絶対とは言えませんが、安眠できるようになったのが理由かもしれません。