「髪がパサついてまとまらない」など、冬と言えば乾燥が気になるもの。毛先がパサパサだから、地肌も乾ききっているはず……と思いきや、実はそうでもないのだとか。P&Gヘアケアサイエンティストのライース・コエーレさんによると、「冬の皮脂分泌は意外に多いとこともある」のだそう。いったいどうして?
「髪の地肌の皮脂分泌の乱れ起きる原因はふたつあります。ひとつは、ストレスやホルモンバランスの乱れといった“内的要因”。もう一つは、洗い過ぎや保湿不足などで肌が乾燥すると、かえって肌が脂っぽくなる――という“外的要因”です。また、冬は洗髪頻度も少なくなり、気温も低いので汗が少なく地肌に皮脂が固まって溜まっているケースもありますよ」
そもそも髪の地肌は、体の中でも皮脂腺が多い部分。顔の中で最も皮脂分泌が盛んなひたいに比べて、皮脂分泌量が2倍なのだそう。
「地肌は髪が密生しているので、汗をかくと蒸発しづらく、空気中のほこりやスタイリング剤の残留物など様々な汚れも付着します。それにより常在菌が異常に繁殖して地肌を刺激するので、フケ、かゆみ、べたつき、ニオイなど、“地肌トラブル”の原因となってしまうのです。冬は厚着したり、意外と電車が暑かったりするので、地肌がジワ~っと汗をかいたりすることもありますよね」
せっかくカラーリングやセットで髪をきれいに見せても、そんな悩みが起きていたら残念ですよね。その上、その不快な症状の原因が常在菌だったとは!そんな“地肌トラブル”は、健やかな髪を育む妨害をしてしまうのだそう。
「美しい花を育てるためには、豊かな大地が必要ですよね。地肌と髪の関係も同様で、“地肌トラブル”が起こっていると健やかな髪も生まれません。美しい髪を手に入れるためにも、その土台となる『地肌力』を高めることが大切です」
なるほど。具体的には、どのような方法があるのでしょうか?