「篠崎くん、”革命アイドル暴走ちゃん”知ってる? 君、絶対見たほうがいいよ」

ある日、会社の上司に突然そう言われた。これまでにもいろいろな演劇を薦めてくれた彼だが、普段よりも語気が強めだったこともあって、その変な名前が妙に気になった。

そうして今回見に行ったのが、革命アイドル暴走ちゃんの『騒音と闇』。昨年ヨーロッパでの海外公演『Miss BerserkerATTTTTACKS!! Elektro☆Schock☆Luv☆Luv☆Luv☆Shout!!!!!』を成功させ、この『騒音と闇』が日本凱旋公演なのだという。そもそも革命アイドル暴走ちゃんとは何者なのかをまず説明すべきなのだが、実際見てみると、あれは劇団というかパフォーマンス集団というか……うーん、なんとも言いがたい。とりあえず、公演の中身から紹介していこう。
 

服の汚れは責任負えません! 頭上に降りかかる水、ワカメ、豆腐!

2014年2月15日、横浜・相鉄本多劇場。関東に大雪が降った翌日、ガタガタに乱れた交通機関をなんとか乗り継いで150人ほどが入る会場に到着すると、客席・床・壁などすべてがビニールで覆われている。観客はレインコート・室内履き着用必須(荷物はビニール袋に入れて保管)の状態で会場に入り、パフォーマンスを見ることになる。

開演からアンコール終了まで、正味45分ほどのステージ。他の演劇や音楽ライブのステージと比べると比較的短めだが、体感時間はさらに短く感じた。なにしろ45分の間、下記のようなアトラクションがノンストップで展開されるのだ。

・出演者に水、ワカメ、豆腐などを頭からかけられる
・出演者に制汗スプレー(?)を振りかけられる
・出演者が客席に降りてくる
・出演者が観客に話しかけてくる
・出演者が観客の目の前でディープキスをし始める
・出演者が観客にハグしてくる

アニメ・ゲーム・アイドル・J-POPのキラーチューンをつなぎ合わせたノンストップMIXが轟音で鳴り響く中、男女30人ほどの出演者が舞台/客席の区別なく、駆けまわり、踊りまくり、叫びまくるのだ。