4. ポジティブ思考で負けず嫌い
ウォルトはハリウッドに進出する前、一度会社を潰している。しかしめげずに一念発起してディズニー・ブラザーズ・カンパニーを立ちあげ、ネズミのキャラクターで勝負して大成功をおさめた。
つまり、打たれ強いのだ。
劇中でもトラヴァースに冷酷に対応されても、ウォルトはめげずに微笑み返す。社内の同僚が、そんな彼女に悪態をついても、決して悪口はいわず、苦笑いをするだけ。いつか彼女の心も動く、と信じて疑わない。その負から立ち上がる強靭な精神力は、まさに”ポジティブ思考”に支えられていたといえる。
5.自分の弱みを武器に変えてしまう
ウォルトが『メリー・ポピンズ』にアニメーションを入れ込んだことを知ったトラヴァースは約束破りだと怒り、イギリスへ帰ってしまう。
結局「お金にふりまわされただけ」と思ってしまったトラヴァースだったが、ある晩、そんな彼女のところにウォルトがやってきた。トラヴァースの知られざる過去を感じ取ったウォルトは、自分の「過去のトラウマ」を彼女の前にさらけ出し、じっくり彼女と向き合う。
ウォルトが悲劇を前向きな気持ちに変えて進んできたことを知ったトラヴァースは、彼との距離を縮めるのだった。
5. 心の中で保険はかけておく
"自分の夢"が実現間近になったとしても、ウォルトは浮ついたりはしない。
ウォルトの情熱につき動かされ、『メリー・ポピンズ』はようやく完成した。が、彼はトラヴァースを完成披露に呼ばなかった。
なぜなら完成披露にはメディアがたくさんくるから。もしトラヴァースが映画を見て罵詈雑言を浴びせたら、たまったものではない。でも心配するまでもなく、作品は大好評に終わり、アカデミー賞5部門に輝く名作となるのだった。
いかがでしたか?
すでに映画を観た人たちの感想として印象的だったのは、「陽気だけど実は生活は楽しいことばかりではなく、それでも前向きに過ごしている。たぶんみんな楽しいことばかりじゃないけど、日々を楽しもうとしてると思う」(20代前半・女性)「ウォルトはビジネス以上に心と夢を大切にしている」(40代・男性)といった言葉。
「何事も楽しもう」という気持ちがウォルト・ディズニーという人物像の根っこにあり、不可能を可能に変える原動力になったのではないだろうか。