2024年2月19日、厚生労働省のアルコール健康障害対策推進室が公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が話題になりました。特に飲酒による健康リスクに大半のページを割いているのが印象的です。
ガイドラインでは過度な飲酒による影響として「飲酒後に適切ではない行動をとることによっての怪我や他人とのトラブル」を挙げています。これは外飲みだけなく、宅飲みも同じです。もし、夫の酒癖が悪かったらどうでしょうか。
確かに働く上でストレスのはけ口は必要です。風俗に走ったり、暴力を振るったり、散財したりするより、飲酒の方がましかもしれませんが、それは程度の問題です。お酒のトラブルを正当化する理由にはなりません。ガイドラインでも避けるべき飲酒等について「不安や不眠を解消するための飲酒」を挙げています。
今回は、専業主婦として家事や育児に奔走しているなか、夫の酒癖で悩み、離婚を考えている本田奈々子(32歳)さんのケースを、行政書士・ファイナンシャルプランナーとして夫婦の離婚相談に携わる筆者が紹介します。
お酒でトラブルを起こすたびに「もう飲まない」と反省する夫
奈々子さんいわく、夫は毎晩のように晩酌するのですが、お酒に強いわけではないので500mlのチューハイを3本飲んで泥酔し、嘔吐することが続いたそうです。
奈々子さんが「このままじゃ困る」と注意したところ、夫は「もう飲まない」と約束してくれたので安心していたところ、半年後にまた同じことが起こったのです。
ある日、奈々子さんの就寝中に夫が酔っぱらって帰宅。真冬にエアコンの冷房ボタンを押したので寒すぎて、奈々子さんが目を覚ましてしまったのです。奈々子さんが「前の約束は何だったの!」と怒ると、夫は「仕事の付き合いなんだからしょうがないだろう」と逆ギレ。夫の酒癖はどんどん悪化していきます。
翌月には、飲み過ぎて直立歩行できないような状態で帰宅したのです。奈々子さんが気付いたときにはトイレで爆睡していました。ベッドまで連れて行こうとしたのですが、夫は「うるさいわ!」と絡んで喧嘩になったのです。