「“二度と飲まない”を守れなかったら離婚」の約束に…
筆者は行政書士・ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっていますが、奈々子さんがLINEで相談内容を送ってきたときには、すでに夫に何度も裏切られていました。夫はそのたびに禁酒宣言するのですが、その約束が守られた試しはありません。その回数は両手の指では足りないくらいです。
筆者は「約束を守れなければ離婚しかないと言い、守られなければ仕方がないのでは」と助言。奈々子さんがその通り行動に移し、夫がお酒をやめるかどうかを見守ったのです。内心では離婚したくない一心で約束を守るだろうと信じていたのですが、夫は最後のチャンスもふいに。SNSにビールを回し飲みする姿が投稿されたのです。
それは夫と思しき男性と他数名が居酒屋でどんちゃん騒ぎする様子でした。奈々子さんはいても立ってもいられず、「何度言ったら分かるの?もうあなたから解放して」と問い詰めたのですが、夫は今まで何十回も禁酒宣言を破ってきた手前、「もう迷惑をかけないから」とは口が裂けても言えず、しぶしぶ離婚を承諾したようです。
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結局、夫は口先ばかりで実際には反省しておらず、またバレても大丈夫とタカをくくっていたのでしょう。これでは夫の酒癖はエスカレートするばかりで、奈々子さんはますます傷つき、悩み疲れていくだけです。
これ以上結婚生活を続けるほど、奈々子さんの心身は疲弊していきます。それでも籍を入れ続けるのか、それとも抜くのかは各人の判断です。仏の顔も三度までという言葉があります。何度、仏の顔をしても埒が明かないのなら、いっそのこと、離婚するというのも立派な選択肢です。