庶民にとっての寿司といえば、まずは回転寿司、そしてスーパーマーケットのパック寿司でしょう。手ごろな価格で寿司を食べられるのはうれしいですが、残念ながら味のほうもお手軽なことも多いです。
とにかく酢飯に刺し身が乗ってりゃ寿司だろ!と言わんばかりに、かたいシャリにカピカピのネタが乗っているだけ……そんな悲しいパック寿司を食べた経験、誰にでもあることでしょう。それでも、ふと寿司気分を味わいたいとき、パック寿司のお世話になっている庶民も多いはず(自分含む)。
今回イトーヨーカドーが寿司をリニューアルすると聞いたときも、まあこれまでのパック寿司の域を出ることはないだろ~、と、たかをくくっていました。が! 実際試食してみて正直、驚きましたよ。この味がスーパーでもいつでも買えるのであれば、かなりお買い得かもです。ではリニューアルでどこがどうおいしくなったのか? 細かく見ていきましょう。
寿司といえばまず注目されるのが「ネタ」です。たしかに新鮮なネタは寿司の醍醐味。しかし今回イトーヨーカドーが力を注いだのは、「シャリ」と「わさび」とのこと。
まずはシャリ。これにいちばん驚かされました。手で持つとふんわり、口の中でシャリがほろっとほどけるあの感覚。これ、回らないお寿司屋さんじゃなくて、スーパーのパック寿司で、ですよ!?
なんでも「舎利玉機(しゃりだまき)」という専用の機械によって職人技レベルの握りを再現しているんだとか。この機械を全店に導入するそうで、それもすごいです。というかスーパー寿司って、お店で個別に握ってたんだ! すごいなー。
また5種類の原酢をブレンドしたという新寿司酢は、酸味がかなりまろやか。いやなすっぱさはまったく無く、ネタの味を引き立たせる絶妙の酢かげんです。お米は時期に合わせて最適な配合にするらしく、今回は「ひとめぼれ7:きらり3」という割合。
さらにわさびは、通常西洋わさびが大半のところ、リニューアルで本わさびの配合をアップし、よりモノホンのわさびらしい風味を感じました。