恋愛に向ける「期待値」の高さ

男性の過去の恋愛について話を伺うと、10代のときから好きな人はいて自分から告白する経験を重ねており、交際まで至った人も複数いて、密度のあるお付き合いを楽しんできたことがわかりました。

「関係を自分で引っ張る力」のある人は、相手に向ける好意をしっかりと実感して、そのとき自分のできることに力を尽くします。

その姿が、女性によっては甘えや依存を生む可能性もあって、今回の好きな人は関係を男性任せにしているのが伝わりました。

それに男性のほうも気がついていて、だから「自分が告白しても当たり前のようにうんと答える姿」が想像できます。

それは幸せなことのはずなのに、「それより強い刺激を与えてくれた過去の女性」の記憶が、男性には告白の基準のようなものになっているといえます。

自分の告白は「あの元カノのように感激されるものであってほしい」という理想があり、それに添ってくれないであろう今の好きな人の様子を想像すると、ためらいが生まれるのですね。

恋愛に向ける「期待値」は人それぞれで、経験の多い人のなかにはこの男性のように相手の状態が予想できるからこそ落胆するのが怖い、と感じることもあります。

元カノへの未練はないと言い切れるのに比べてしまうのは、自分が抱える恋愛への期待値が高いからです。

「それを叶えてくれるかどうか」が好意を維持するベースになるのは、男性のほうもどこかで女性に自分の状態を委ねているともいえます。

好きな人とのつながりに積極的でみずから動くことに腰が引けない人であっても、恋愛は一対一の関係なら、相手の態度によって自分の気持ちが左右される部分が出るのは仕方のないこと。

それが告白のようにふたりの関係を新しいものに発展させる場面でのことなら、相手に強い期待をかけてしまうのは、過去の幸せな経験があるゆえ、と思いました。