「恋愛するなら自分と違うタイプがいい、結婚するなら自分と同じタイプがいい」という定説を知っていますか?
学校生活や社会人生活、家族生活などでは、似た性格や価値観の人と一緒にいることが多いです。このような環境では相手が自分と似たことを考えているので、細かい確認を取らなくても問題ありません。空気のような存在で付き合うことができ、一緒にいて非常に楽です。
しかし、狭い世界にいると新しい刺激が欲しいと思うこともあります。そうやって惹かれ合うのが恋愛です。異なる発言や態度、行動に新しい発見があり、毎日が新鮮に感じられます。
しかし、そんな恋愛結婚の場合は問題が発生します。異なる性格や価値観を持つ男女が一つ屋根の下で暮らすとどうなるのでしょうか。
横着な夫に悩まされる几帳面な妻
筆者は行政書士、ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談を受けています。今回は、正反対の夫に惹かれ結婚した渡辺詩織さん(36歳・仮名)のケースと、そんな夫婦がうまくやっていくための心構えを紹介します。
詩織さんは夫(38歳)と娘(8歳)と暮らしていましたが、彼女の性格は夫とは正反対。彼女は几帳面ですが夫は横着で、結婚生活は思うようにいきませんでした。
家事の分担
夫は気を利かせて洗濯物を取り込みましたが畳み方がバラバラ。詩織さんはため息をつきながら自分で畳み直しました。夫に感謝の言葉をかけることはありませんでした。
育児の分担
娘の宿題を気にする詩織さんに対し、夫はリビングで寝転がりテレビ観賞。詩織さんは「娘のことをちゃんと考えているの?」と夫を一喝しました。
家計の管理
詩織さんは毎月レシートをチェックし、節約の余地がある項目に印をつけて夫に渡しました。夫がファストファッションブランドのジーパンを購入した際も、レシートに印をつけました。
浪費家の夫は詩織さんに内緒でライブのチケットを購入し、家計の口座から1万円を使いました。問い詰めると「俺の給料だろ」と逆ギレ。詩織さんは夫と1週間近く口をききませんでした。
手術明けの妻を全く心配しない夫に…
ある日、持病の座骨神経痛の手術を日帰りで行った詩織さん。帰宅すると夫は「飯はまだか」と言い、手術直後の詩織さんに料理を作らせました。
妻の体調を心配する様子もなかったので、詩織さんはついに堪忍袋の緒が切れたよう。「私がこんなに大変なのに自分のことしか考えないなんて…もうあの人にはついていけない」と嘆き、ついに離婚を決断しました。
性格が合わない夫とうまく結婚生活を送るには
詩織さんが離婚を決断するまでのエピソードを並べました。家事の分担では、整っていない衣服を見て見ぬふりをし、夫に「ありがとう」と一言かけるべきでした。育児の分担では宿題をやるのは娘自身であり、夫を叱るのはお門違いでした。
家計の管理では、別の安いブランドのジーパンを購入したところでその差額は2,000円程度。この金額のために夫婦喧嘩をしても割に合いません。
正反対のタイプの相手を理解するためには「自分と同じでないと気が済まない」という考えを捨てることが重要です。さもなければ頻繁に夫婦喧嘩が起こり、最終的には離婚を避けられなくなるでしょう。