あなどれない防災頭巾の効力

では、防災頭巾はどのくらいの効力があるのか。日本防炎協会に取材すると、国民生活センターで2010年に防災頭巾の安全性について実験をしたと紹介され、資料提供のご協力をいただいた。
 

日本防炎協会認定のものと、それ以外のものを調査(提供/国民生活センター「子ども用防災頭巾の安全性レポート」より)

市販の防災頭巾から3,000円以下のものを16種選び、衝撃吸収性能試験を行った。防災頭巾を被った人形の頭上10cmから、5キロの鉄製のおもりを落下させ、どのくらいの衝撃を抑えられるかの実験だ。
※衝撃吸収率は(1-装着時の衝撃力/着用しない場合の衝撃力)×100

この結果、日本防炎協会が認定している8種類はどれも50%以上の衝撃吸収率があり、最も優れたもので85%もあった。認定されていない8種類の方は、50%を上回ったものが2種類のみで、40%に満たない商品が4種類もあった。

また日本防炎協会の品質性能基準に準じた方法で、防災頭巾に接炎し、防炎性能試験を行った結果、認定品の8種類は炎を自己消火できた。しかし認定されていないものは、6種類が焼失した。(5回の洗濯後に行った防炎性能試験の結果)
これは危ない。

左が認定品ではないもの、ほぼ焼えていない認定品との差は大きい (提供/国民生活センター「子ども用防災頭巾の安全性レポート」より)
認定品の「防炎頭巾」はスーパーなどでも販売されている
 
認定品ではない商品名をよく見たら「防災クッション」となっていた

小学生が使用している防災頭巾で実験した場合は、綿の偏りなどで性能が劣化しているものもあった。洗濯の用法を守り、詰め物の偏りなどを感じたら新しいものに変える必要がある。

防災頭巾があれば安全ということではないが、何も覆われていないよりは遥かに身を守ってくれるようだ。3,000円以下で買えることを考えると、身を守るための手軽な逸品ではないだろうか。

 

取材を終えて

小学生の保護者に聞いたところ、防災頭巾を選ぶ際に子どもの好きな柄で選んでしまったとの意見も。防災頭巾を使う日が来ないことを願うが、万が一のために性能や劣化を保護者の方も注意してほしいと感じた。

資料提供 独立行政法人国民生活センター「子ども用防炎頭巾安全性テスト報告」


※本記事は2012年4月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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