賀澤教子さん

賀澤:私の場合、タヒチアンダンスは“なんとなくこうかな?”っていうのが分かったんですけど、初めてやるニュージーランドの踊りだったり、“ポイボール”という紐の先についたボールをリズムに合わせて回す演目がなかなかできなくて。

ポイボールを先輩に教えてもらいながら作るのも苦労したけど、7月の初めてのステージではそれを披露しなければいけないので、何が何でも身に着けなければいけない。だから私は、レッスンが終わった後も、廊下や自分の部屋でポイボールを回す練習をずっとしていましたね。

タヒチアンダンスのあの激しい腰の動きも、練習さえすれば、誰でもできるようになるのだろうか?

小宮:3ヶ月間、みっちり練習すれば大抵はできるようになります。

熊谷:私は新入生のときにあの腰を回すのができなくて、先生に泣きながら「できない」って言いに行ったことがあります(笑)。それぐらい大変だったけど、でもやるしかないから、1時間ずっとその練習だけをしたこともありました。

ハワイ語を覚える授業もあります

小宮:背中を床に完全につけた状態から起き上がるのも、太ももの筋肉、腹筋、背筋のすべてを使うし、身体ができ上がっていないとできない難しい動きですね。それにフラの場合はただ踊ればいいというものではないので。手と腰の動き、表情が全部揃っていないといけないし、曲の意味も全部知っていないといけない。そのどれかが抜け落ちてしまったら素敵なフラはできあがらないから、ハワイ語を覚える授業もあります。

そうした厳しいレッスンをクリアして、初めてステージに立ったときはどんな気持ちになるのだろう?

 

熊谷聖菜さん

賀澤:私は夢にまで見たステージだったんですけど、家族や友だちが観に来てくれて、踊っている最中に映画の『フラガール』みたいに「みちこ~」って声をかけられて(笑)。

でも、終わった後に“ああ、これからなんだな”って思いました。毎日ショーをやる中で人としてのクオリティを上げたり、周りの人たちの気持ちやいろいろなことを吸収することが踊りに反映されるのかな? と思ったんです。例えば曲に乗せてお花の匂いを嗅ぐ踊りがあったら、自分が自然の中でその花の匂いを嗅いでいる状況をどれだけイメージできるか、その思い込みが大事というか。そうしたことが表現力に反映されると思うので、そこは自分なりに気にしながらやっていますね。

熊谷:私は、初めてのステージはとにかく緊張してしまって、最後のポーズを間違えてしまいました(笑)。

小宮:ステージで間違えたときは、手の動きのようにすぐ正しい動きに戻せるときは戻しますけど、あとは私の場合は笑顔ですね。私は間違ってないのよ、みたいな表情をしています(笑)。