浮気しやすい職業は何かという質問に対し、筆者は「医師」と答えます。『Dr.転職なび』によると、7割以上の医師が「ストレスを感じる」と答えており、その主な原因は「職場の人間関係」(37%)です。医師は命に関わる過酷な現場で働くため、ストレスの発散として性欲に走るケースが多いのです。

行政書士、ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっている筆者が今回紹介する相談者は美弥さん(仮名/38歳)。彼女も夫(39歳/勤務医)の浮気に悩んでいる一人です。

夫は大学病院の外科医で、美弥さんは何度も裏切られながらも離婚をためらっていました。離婚を決断できないのは夫の高収入や社会的地位、そして「医師の妻」という立場を失うことへの恐れからでした。

スマホに届いた甘いメッセージで発覚した浮気

2019年、美弥さんは夫の携帯電話に届いたLINEの通知を見てしまいました。「愛してる」「早く一緒になりたい」などの甘い言葉が表示され、夫の浮気を疑うきっかけとなりました。夫は出張が多く、その頻度も増えていたため、美弥さんは興信所に依頼し、夫が浮気している証拠を押さえることに成功しました。

しかし美弥さんはその後も夫に何も言えず、離婚にも踏み切れないままでした。夫が良い父親であり、息子のために慎重に行動する必要があったからです。

2020年、新型コロナウイルスの影響で夫は車通勤を始めましたが、その間も関係は続いていました。美弥さんはパソコンで夫のホテルのデイユース予約履歴を発見し、さらに夫を問い詰めたところ、夫は「軽い気持ちで浮気していた」と冷静に答えました。

相手は同じ病院に勤める看護師で、美弥さんは直談判に出ました。相手の女性も「終わりにしたい」と涙ながらに訴えたため、美弥さんは夫を許すことにしました。

三度目の浮気と離婚の決断

しかし、再び同じことが繰り返されます。美弥さんは夫の車にGPSを設置し、夫がラブホテルに出入りしている証拠をつかみました。今回は言い逃れできなかった夫は逆ギレしましたが、これが最後の許しとはならず、美弥さんはついに離婚を決断しました。

夫の収入が減少したことも離婚の後押しとなり、金の切れ目が縁の切れ目となりました。

医師は高いプライドを持ち、上から目線で物を言う傾向がありますが、それが結婚生活で裏目に出ることがあります。夫は美弥さんを見下し彼女の言葉に耳を貸しませんでした。そのため、夫に浮気をやめさせることは難しく、美弥さんは離婚か、浮気に悩み続けるかの選択を迫られました。

現実に向き合うしかない不条理な状況ですが、離婚によって美弥さんの人生は大きく変わることでしょう。

1980年生。国学院大学卒。行政書士・FP。離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、会員は6千人を突破。バナナマン設楽さんの「ノンストップ」、明石家さんまさんの「ホンマでっかTV」、EXITさん初MC「市民のミカタ」などに出演。「STORY」「AR」などファッション誌にも登場。著書は「婚活貧乏」など11冊。