また、こちらは官能小説とまでは言えないのですが、桜木紫乃さんの直木賞受賞作でもあるラブホテルを舞台にした小説『ホテルローヤル』(集英社)もおススメです。
7話からなる連作短編集なのですが、第一話目で「ホテルローヤル」という名の北国のラブホテルはすでに廃墟となっていることが明らかにされます。そこから時間は過去へと巻き戻り、ラブホテルの経営者や清掃員、またそこを訪れる訳ありカップルの様子が、たくさんのやるせなさと共に、「これでもか」というほど克明に描かれています。
物悲しいのですが登場する女性たちは一本筋が通っていて、簡単にはヘコたれなさそうな所が印象的です。
「生きる」ということをこれほどまでに強く感じさせてくれる小説も珍しいと感じました。
いかがでしたか?
女性向け官能小説は、細部が非常にリアルに描かれており、ストーリーも物語的で共感できるものが多いです。女性作家による女性のための「官能小説」はまだまだ数多く出版されており、自分好みのものを見つけるのも案外難しくなく、楽しいかと思います。
「性」を正面から描いているのに、どこまでも甘くて繊細で、なめらかで、時に苦しい女性向け官能小説を、是非一度読んでみて下さいね。
筆者は「女子とエロ」をテーマにした作品が大好きなので、ぜひ、第二弾、第三弾も紹介したいです!(笑)
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