Atsuo:我慢していないですよ、前回は前回で成田さんはBORISのことをわからないままやっていただいたので、振り切れていてめちゃめちゃ面白かったですし。

成田:「わからない」というか、それまでは(BORISのことを)音源でしか知らないから、どうしたものかなと思ってたんですけど。

Atsuo:『New Album』をリリースした後も、12インチやスプリットの7インチ、DEAD ENDのトリビュート曲や、CM、ゲームの曲も一緒にやりました。『New Album』以降、ライブもほとんど見てもらっていますし、かれこれ3年くらい一緒にやっていることになります。
 

 

 

成田:今でもわかんないけどね。意味不明です(笑)。普通の尺度で測れないから。
今どきのバンドとの大きな違いとしては、「楽器を弾けば音楽になる」というか、「ジャンルに合う奏法でやればある程度はまとまる」みたいな、今ってわりとそうなんです。

マニュアル的にやってる子たちは多い。みなさんまあ上手いですけど。それより前の時代の気持ちだけで演る、感覚だけで演るみたいな。強いアイデンティティみたいなものがBORISにはある気がして。

Atsuo:みんな、上手ですもんねえ~。

成田:みんな上手いよね。「上手いけど…」ってことなんだよね。
昔って感覚だけのバンドってたくさんいたと思うんですよ。

僕は京都出身なんですけど、西部講堂(京都大学構内にある厚生施設。60年代末から様々な音楽イベントが行われていた)の辺でライブやってる人って、ヒッピー的な生活をしながらそのまま音楽やってる人たちがすごく多くて、山の中に実際住んでる人もいてね。
そこに行って一緒に音楽作ってたりもしたんですけど。BORISにはその時代のニュアンスがあるのね。

BORISは元々美大のバンドでしょ? 美大って関西にも大阪芸大とかには必ず変なバンドがいて。そこに通じるものがあって。「わからない」といいつつも、実は自分にとってはすごくわかりやすいバンドなのかもしれないと考えて、今に至ります。