Atsuo:歌詞の内容が音と関係ないですもんね。成田さんの全力ぶりがすごく面白い。
――たとえば風男塾の『棚田米』って歌詞は普通にお米のこと歌ってますよね。
Atsuo:作曲者は歌詞の内容知らないですもんね。
成田:まさか棚田米という日本古来のお米の歌になっているという…。そこが面白いっていうね。
――ある意味すごく自由じゃないですか。今のアイドルの音楽性って。
成田:そうだね。BiSとかみてるとね。ももクロにしてもね。…BORISの話から全然離れちゃったね。
でもAtsuoくんからのリクエストって結構そういうの多かったよね。
Atsuo:「むしろバンドと離れてもらっていい」と『New Album』の時は言っていました。
成田:後々演奏するの大変だし…。
Atsuo:『New Album』は殆どコンセプトアルバム的な感じになってるんですけど。
成田:今回はまったくそれに比べると地に足が付いているよね。
――「地に足が付いている」といいつつ、今作『NOISE』に収録されている「Angel」は18分くらいありますけど…。
成田:自分のバンドでやるときも適当に演るから30分越えたりもしますけど、さすがにねえ、仕事でそういうのはBORIS以外では無いですね(笑)。
普段は3分から5分の曲をアレンジしているじゃない?
曲が18分くらいになってくると、手をつける勇気がなくなってくる(笑)。
DEAD ENDのトリビュート『冥合』の時も11分だったっけ?
――それ、本家より長いですよね。
成田:テンポ遅いから尺伸びちゃう。長尺は大変だよね(笑)。BORISのライブを観ていると「長いほどいいなあ、終わらないでくれよ」って思いますし。そういう意味ではその長さでいいのかな。ただ作業には体力が必要になってくるよね。
Atsuo:それと今回のアルバムは殆どの曲がクオンタイズしていないというか、BPMが決まっていない曲が多いんで。ポストプロダクションの段階でコピペとかしづらいんですよね。
成田:あと曲の構成上、繰り返しがないよね。一方通行で戻ってこない。
Atsuo:普通はだいたいA→B→サビみたいな、また戻って繰り返しみたいな…。
成田:それがBORISの場合はC→D→E→F→Gとずーっと最後まで行っちゃう。繰り返しなしで終わった!それを理解するのに時間かかるよね。
Atsuo:ホントすみません。恐縮です(笑)。
成田:かといって、繰り返しを求めるような音楽じゃないから。無くていいんじゃない?出来上がりとしては素晴らしいものができるんだけど。やってる間はなんというか…。作業量がべらぼうに増えていく。
Atsuo:(繰り返しが無いということは)流用、コピペが利かないですからね。
今回も「この曲は成田さんが入ったらすごく面白いかな」とかそういうのが見えたりしていたんで、それをお話しながら、基本的に自由にやっていただいています。
成田:自由にやらせてもらってるんですけど。『New Album』の時は自分の手法にBORISを当てはめていったりしていたんだけど、今回はBORISの中に自分を入れていく、みたいな。すごくニッチなことをやってみたんです。出来上がりとしては、(自分の手を)入れてあるのとそうでないのとでは全然違う感じになったなと。
Atsuo:そうですね。今回は雰囲気、手触りとか空気感、そっと添えられているけど、それが全体に大きな効果を発揮することをやっていただいています。言葉では非常に説明しづらい部分なんですが。
成田:やっぱ僕、腕いいね。他にこういうこと出来る人いないだろうなあ。
一同:(笑)