【日本全国を制覇したバンワーカーが教える至福のあれこれ・4】この連載では、実際に訪れたRVパークの中から、特に優れた施設を紹介している。選定にあたっては、トイレ、入浴施設、ゴミ処理、電源、水場、ランドリー、食事処、買い物といった設備が徒歩圏内にあり、快適に使用できることを重視している。このような条件を満たすRVパークは全国に点在しているが、今回は千葉県安房郡の「道の駅 保田小附属ようちえん」を紹介しよう。
「道の駅 保田小附属ようちえん」を紹介
小学校をリノベした「道の駅 保田小学校」
保田小学校は、1888年に保田高等小学校として設立され、2014年の廃校まで126年の歴史を刻んだ。その後、15年にリノベーションを経て、道の駅として生まれ変わっている。
車中泊にとって魅力なのは、小学校内に「里の小湯」という温浴施設があることだ。町外からの来訪者は大人500円、子供250円で利用できる。こじんまりとした浴場は5人程度で満員になる規模だが、清潔感があり、窓から降り注ぐ日差しが心地よい。
里の小湯
ただし、日帰り入浴の受付は10時30分~16時と限られているため、入浴を希望する場合、早めの利用をおすすめする。なお、教室をリノベーションした「学びの宿」という宿泊施設の利用者は、15時~23時で入浴できる。
学びの宿
懐かしい給食メニューの味が楽しめる飲食店
道の駅として、物産販売施設も充実している。体育館をリノベーションした「きょなん楽市」は、車中での自炊に必要な食材を調達できる。
きょなん楽市
自炊しない人は、保田小学校内にある飲食店を利用しよう。給食をモチーフにした懐かしいメニューを提供する店もあり、この献立を食べたいばかりにわざわざこの地に足を運ぶ人も少なくない。
給食をモチーフにした懐かしいメニュー
おすすめRVパーク「道の駅 保田小附属ようちえん」
さて、今回ご紹介する道の駅 保田小附属ようちえん RVパークは、「道の駅 保田小学校」のすぐ隣にあり、敷地はつながっている。敷地に入ってすぐに目に入るのは、広い芝生公園だ。公園の周囲には、保田小学校から続く円環状の屋根付き歩道「わっか」が巡らされているため、雨でも濡れずに移動できる。
名称:道の駅 保田小附属ようちえん RVパーク
住所:〒299-1902 千葉県安房郡鋸南町保田724
利用料金:3500円/1泊
利用可能台数:1台
チェックイン:12時~17時 チェックアウト:10時まで
道の駅 保田小附属ようちえん
公園の奥には、個性的な飲食店が並ぶ。保田小学校内の店舗とは異なる、大人向けの雰囲気を醸し出している。向かって右から順に、おいしいトンカツが食べられる「なのはなぐみ かつ菜保田店」、海鮮丼や黄金アジフライが楽しめる「保田食堂」、特徴的な「鋸南ブラック」という黒い肉まんを提供する「front village diner」が並んでいる。このほか、幼稚園の体育館を活用したプレイルームや土産物店も併設されている。
Wi-Fiとエアコンが使えるコワーキングスペース&会議室
バンワーカーにとって特に注目すべきは、コワーキングスペースとレンタル会議室の存在だ。1時間500円で借りられて、Wi-Fiの通信速度は爆速(400Mbps)。通信速度を求められるオンライン会議も、ここなら安心して参加できそうだ。
安心してオンライン会議に参加できる
RVパークのスペースは1台分と限られているものの、道の駅の駐車場に十分な余裕があるため、車中泊での利用に不安はない。近年、道の駅での車中泊については議論があるが、当施設では明確に容認されており、「車中泊利用の方は、あちら側の駐車場をお使いください」という案内も設置されている。そのため、RVパークが満車の際も、道の駅での車中泊が可能だ。
最後に、チェックポイントをおさらいしてみよう。
○:トイレ、入浴施設、ゴミ処理、電源、食事処、買い物
×:水場、ランドリー
水場とランドリー以外は敷地内にそろっているため、車中泊の初心者でも安心して利用できる施設だと感じた。なにより、小学校を思い出させる設備が楽しくて、まるでテーマパークに泊まっているような気分になるのがいい。関東近辺にあるため、都内在住でも1時間ほど車を走らせれば旅気分が味わえる点も嬉しい。「ちょっと車中泊してみるか」という気軽さが、この施設の一番の魅力なのかもしれない。(マイカ・井上真花)
■Profile
井上真花
雑誌、書籍、新聞やWeb記事などを制作する編集プロダクション「有限会社マイカ」の代表取締役。コロナ禍を機にフルリモート体制となり、自作キャンピングカーを職場とする「バンワーク」を実践中。2024年7月に全国制覇を果たした。