松田「けんけんは自分にとってもお兄さんだしタカにとってもお兄さん」

――皆さんご自身のことの様に喜んでくださったのですね! オーディションに向けてはどんな準備は練習をしましたか?

松田:一生『ライオン・キング』の音楽を聴いていました。

右近:確かに僕もそうだな。頭の中でずっと流れていて。しかも(楽曲が)情報解禁前なので、自分だけが知っている曲というのも変な感じで。うかつに人の前で口ずさめないし、もどかしかったです。

松田:めっちゃ分かります! 俺もずっと楽屋でコソコソしていて……。

右近:歌舞伎の楽屋ってみんなで一緒にいる空間なので、イヤホンをする習慣があまり無くて。なので小さい音でスマホから流して耳をあてて一生懸命聴いていたりしました。

松田:歌に関しては、なるべく自分の要素を残したくないなという意識があって。“タカの歌”ということを強く出したかったんです。オーディションで上手に歌えたかは分かりませんが、その時に自分が出来るタカは全力で演じました。タカってました!(笑)

右近:タカってた(笑)? 準備というのはあまり出来ませんでしたね。「このセリフを言うにはこのくらいの秒数が必要だな」という心構えも、何秒から始まるということしか台本には書いてないので、備えようもないことを一生懸命備えてる感じでした。

松田:すごく分かります。限られた時間の中でどう感情を持っていって、次に繋げていくのか?という部分は、実写のお芝居と別の感覚だなと。字幕版の声と大きく変わってしまっては吹替えにはならないのかなとも思ったので、タカのキャラクターを考えながらオリジナルの声のことも意識して……すごく難しいなって。激パニックでしたね。

右近:あとは、バレない程度に松也さんと松たか子さんに「ディズニーのオーディションってどんな感じだったんですか?」と聞いたりもしました。

松田:すごい……! 雪の女王様からアドバイスが!

――ムファサとタカの絆が描かれる本作ですが、今日お会いしてお互いのご印象は?

右近:ムファサにとってのタカというのは表裏一体な存在ですよね。お仕事は何でも自分ひとりで出来ないものですし、本作については特にどんな方が兄弟のタカを演じられるのだろうというのはいちばん気になっていました。

げんげんが決まったと知った時はピッタリだと思ってめちゃくちゃテンション上がりましたし、はやくお会いして色々話したいなと思いました。

松田:タカにとってもムファサは大きい存在ですが、ブースの中で右近さんの声を聴いた時は、もう勝手に安心感を得たというか。けんけんは自分にとってもお兄さんだしタカにとってもお兄さんで。姿は見えなくても声だけで絆を感じましたし、声を頼りに信頼し合っていくという特別な現場でした。

――まだ完成版はご覧になっていない状態ですが(取材時)、お互いの声で特に魅力的に感じた箇所は?

右近:タカからスカーになる瞬間の声がすごく魅力的でした。ムファサはムファサで運命を背負うんだけど、タカはタカでスカーとして生きていくことを背負ったんだな、というのが声で伝わってきました。

松田:ムファサとサラビがお互いの愛を確かめ合うという楽曲が大好きなんですが、その曲のけんけんの声がとても素敵なので、(リリースされたら)絶対に買います!

――『ライオン・キング』といえば素晴らしい楽曲の数々も魅力的ですが、おふたりが歌う新曲もあるそうですね!

右近:もう本当に「僕でよろしいんですか?」という気持ちと、これまでディズニーの曲をたくさん聴いてきたので、そこに自分も仲間入りするっていうことは感無量ですよね。

ただ何のお仕事でも、謙虚に恐縮しすぎても自分の本来の力が出せない可能性もあるから、ある意味当たり前と思わなくちゃいけないという感覚もあって。最大限に恐縮している自分と、当たり前にやろうと思う自分がずっと反発し合っている状態でした。

松田:僕は東京ディズニーランドにある『ミッキーのフィルハーマジック』というアトラクションが大好きなので、「いつか『フィルハーマジック』やパレードで自分の歌が聴けたりするのかな……?」という期待が高まりました。作品として一生残るものですから嬉しさ以上に不安も正直ありながら、でも今けんけんが言ったように、ちゃんと自信を持って出来るように努めようというのは心がけていました。

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