右近「“ジャパニーズ・ライオン”から歌舞伎人生が始まっているんです」
松田:僕もディズニーの中で特に好きな作品です。高校の行事で『ライオン・キング』の曲を使って踊るというものがあって、アメリカの学校のみんなとコラボしたんです。知らない人たちと急に舞台を作り上げるというのは、言葉の壁もありますし、人間と動物の壁もありますけれど、それを音楽で取り払っていくような体験で。
だから俺もこう……どこか「自分はライオンだ」という気持ちがどっかにあって。「サバンナ出身だぞ」という。
右近:(取材陣の)皆さんも思っていらっしゃると思うので聞きますけど、本当に「俺もサバンナ出身だ」って思ってる(笑)?
松田:思ってますよ! 6割、7割。
右近:おいおいおい! そこは10割できてよ(笑)!
松田:強い気持ちはあるんですけど、でも「俺は人間だ」という思いもあるので(笑)。
右近:(笑)。歌舞伎にも『春興鏡獅子』という演目があって、僕が歌舞伎の道を歩むきっかけになったのはその『鏡獅子』の舞踊作品なんです。ひいおじいちゃん(六代目 尾上菊五郎)が『春興鏡獅子』を踊っている映像が奇跡的に残っていて、それを3歳の時に見て、そこから「歌舞伎をやりたいな」と思ったので、“ジャパニーズ・ライオン”からこの歌舞伎人生が始まっているんですよ。
もうひとつ、親の獅子が子供の獅子を育てるというポピュラーな演目があって、まさに『ライオン・キング』みたいな話なんですよね。これまでも「『連獅子』という『ライオン・キング』みたいなお話だよ」とずっと紹介してきましたし、そういう意味でもすごく強く意識してきた作品です。
――素晴らしいエンタテインメントって、時代や国を超えてつながるのですね。
右近:ちなみにその六代目の『鏡獅子』を見て、ジャン・コクトーは『美女と野獣』を撮ったらしいですよ。
松田:すごい……!
――文化のサークルが続いていく、素晴らしい循環ですね。今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!
作品情報
『ライオン・キング:ムファサ』
12月20日(金)全国劇場にて公開
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