松田「その話、もうめっちゃムファサですね……!」

――ストーリー展開や映像について魅力に感じた部分は?

右近:お互いが背負った運命だから仕方が無いという気持ちと、「もう、なんでだよ……!」という気持ちがありますよね。僕はタカに寄り添いたい気持ちが強いので、もっと違う道は無かったのか、という悔しさもあって。

でもどこかにちゃんと愛はあるというか、心の中で繋がっている感じもあってすごく切なくて……好きです。驚きと意外な展開もありましたし、腑に落ちるストーリーもあって。

松田:映像面も迫力が前作よりさらにマシマシですごかったです。俺、(映像の中に)“風”が見えましたもん。本当にこの目で風を見たんです! たくさんライオンが出てきますけれど、1頭1頭の容姿も違いますし、声が合わさるとよりキャラクターの違いも感じられて面白かったですね。

右近:ライオンなんだけど考えている目線がすごく人間っぽいっというか、切ない目をするんですよね。感情が伝わってくる絶妙なバランス感。リアルなだけではない表現力が素晴らしいと思ったので、皆さんにも期待していて欲しいです。

――おふたりにはムファサとタカの様な絆を感じる関係や瞬間がありましたか?

右近:歌舞伎の世界の中で小さい時からみんなと一緒にいて、家族の様な感覚で生きてきて。20代ではお互いに切磋琢磨しながら、それぞれが自分の道を探りながらやっていました。

そしていま30代になって、歌舞伎座などの大きな舞台で自分が主役をする時に仲間が一緒に出てくれたり、逆に仲間が何かやる時に自分がそっちに出たりという、刺激し合う間柄・感謝し合う間柄に変わったなと思っています。

20代までは“自分の城を築かなきゃ”と思っていましたが、30代になって“みんなで築く城なんだ”ということに気付けたのは、ずっと一緒にやってきたからこその絆のおかげというか、お互い真剣にやってきて良かったなと思います。『ライオン・キング』の世界観とも通じますよね。

松田:その話、もうめっちゃムファサですね……!

右近:ありがとうございます(笑)。それが歌舞伎界なんですよ。僕がどうこうというわけじゃなくて、歌舞伎ってそういうものなんだなと思います。血だけではなくて、同じ時代に生きながら誰とどういう歴史を作っていくかということが繰り返されて、“伝統”と言われるものになるのだなと思います。

松田:こんな素敵なお話のあとで恐縮ですが……、僕はメンバーとはそこまで絆を感じることはなくて。一緒にいるのがある意味当たり前というか、家族みたいな存在なんですよね。ひとりでお仕事をしたあとに帰れる場所というか。よく考えればそれはすごく幸運なことで当たり前ではないですけれど、これからの未来のために経験を共にできている戦友という存在ですね。

――おふたり共、ディズニー作品のファンでいらっしゃるとのことですが、改めて『ライオン・キング』に感じる魅力についてお聞きしたいです。ムファサとタカ以外にお気に入りのキャラクターは?

右近:ラフィキです。『ライオン・キング』の中でもラフィキの存在って特別だと思うんですが、本作ではムファサとラフィキの出会いが描かれていて、本作が『ライオン・キング』の始まりの物語だということをすごく実感させる存在でもあります。

ラフィキがすごくはしゃぐシーンがあるのですが、それがとても可愛くて。色々な想いをラフィキも抱えていて、そこから解放されるってどれだけの喜びなんだろうというのをそのはしゃぎ方から感じて、愛おしかったです。

松田:僕はティモンです。砕けた感じというか、楽しいキャラクターですし、ふざけている様で芯食ったことも言うところが良いですよね。声もすごく明るくて、ハッピーな気持ちになれるので大好きです。

――おふたりの『ライオン・キング』にまつわる思い出はありますか?

右近:『ライオン・キング』が30周年で、僕はいま32歳なので、同世代として一緒に育ってきた感覚があります。素晴らしいディズニーの作品の中でも、僕らの世代を代表するディズニー作品というと『ライオン・キング』だなと。

「ディズニー特集 -ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます