「『呼び方』は、話の内容以上に、相手との関係性にとても大きな影響を与えるもの。呼び方を変えることで、人間関係はよくも悪くもガラッと変わります。呼び方の使い方次第で、相手との距離を近くも遠くもできたりする、というわけです」

そう語るのは、『あの人との距離が意外と縮まる うまい呼び方』(サンマーク出版)の著者で作家・心理カウンセラーの五百田達成(いおた たつなり)さん。

五百田さんに恋愛の現場で役立つ呼び方メソッドを教えていただきました。

呼び方ってかなり大事です

そもそも「呼ぶ」という行為は、呼んだ人と呼ばれた人の関係性を表すもの。たとえば、竹内聖大(たけうちしょうた)さんという人がいるとします。

『あの人との距離が意外と縮まる うまい呼び方』101ページ「呼び名マップ」より

彼を「竹内さん」「竹内くん」「聖大さん」「聖大くん」「しょうくん」「しょうちゃん」「たけやん」など、どう呼ぶかで傍から見ても、竹内さんと呼ぶ人との関係性を想像できますよね。

「さらに呼び方には『心と心の距離を表す』という側面もあります。言い換えると親しさ、心を許せているかといった度合いが、呼び方に反映されるというわけです」(五百田さん、以下同)

呼び方は距離感のバロメーターになるのだと押さえておくと、相手から「なんか馴れ馴れしいな」と受け止められたり、逆に「距離を感じる(よそよそしい)な」と思われたりするのを防ぐことができます。

気になる相手と距離を縮めたい場合

何度かふたりで会っているけれど、お互い「名字+さん付け」が続いていて、どことなくビジネスライクな気がする……。気になる相手だから距離を縮めたいけど、どうすれば?

こういうの、社会人男女にありがちな悩みではないでしょうか。

「急に呼び方を変えるのは勇気がいるもの。でも、呼び方を変えるきっかけを作る方法はいくつかあります。たとえば、相手の名字にまつわる話から始めて、ひとしきり盛り上がった後、『どう呼ばれていたか』に話題を移すことです」

親から何と呼ばれていたか、友達からは何と呼ばれているか、など質問してみて、相手が慣れている呼ばれ方を教えてもらったら、「じゃあ、◯◯◯くんに決まりね。◯◯◯くんは……」と宣言&即実行するのが◎。

「呼び方がその時点での互いの距離感、関係性と乖離しすぎていない限り、2〜3回続けるうちにふたりの間でその呼び方が馴染んでくるはずです」