少子化対策として国はさまざまな策を打ち出していますが、本当にニーズに合った対策となっているのでしょうか。

依然、子育て世代からは「日本は子どもを産みにくい」「子育て世代は働きづらい」といったマイナスの声が多く上がっており、本当にこの先良くなっていくのかは疑問です。

では、そんな子育てしづらく働きづらいと感じている子育て世代は、この先の老後をどう考えているのでしょうか。

今回は、人生100年時代に生きる子育て世代が老後をどう考え、具体的にどんな準備をしているのか、また老後のお金の不安解消のために今からできることについてもお伝えします。

子育て世代は残業が必要!? 社会の動きとは逆の考えを持つ実態

公益財団法人1more Baby応援団が、子育て世代の2948名に行った「夫婦の出産意識調査 2018」によると、「日本は子どもを産みやすい国に近づいていない」と回答している人の割合が72.7%となっており、昨年の72.6%からほぼ横ばいであることが分かりました。

また、2人目の壁を感じている人の割合は74.3%となっており、依然高い割合であることも分かっています。

働く環境については「日本社会の働く環境は良い方向に変わっていない」と回答している人の割合が69.4%と、約7割の人が働きづらさを実感していることが分かりました。

つまり子育て世代は、今の日本の社会を「子育てしづらく、働きづらい世の中」だと思っているということです。

そして今回の調査の中で最も注目するべきところは、パパ・ママの65%が「子育てに必要なお金を考えると、今は残業(残業代)が必要」と考えているということ。働き方改革で働き方を変えようとする社会の動きとは逆の考えを持っていることが分かりました。

このように、子育て世代のニーズが国の政策と一致していないことが分かりますが、このままでは不安ばかりが残ります。

人生100年時代に生きる子育て世代!老後をどう考える?

平均寿命が伸びていく中「人生100年時代構想」が発表され、大きな話題を呼びましたが、人生100年時代を生きる子育て世代はいずれ向かえる老後をどう考え、どう準備しているのでしょうか。

結果は以下の通りです。

■人生100年時代に向けて「行いたいと思っているが、まだ実行していないことはありますか?」

  • ある・・・90%

■「人生100年時代」に向けて、「行っている」こと、 「行いたいと思っているが、まだ実行していない (出来ていない)」は何ですか?

    • 貯蓄(出来ていない:47.3% 出来ている:47.3%)
    • 趣味(出来ていない:45.2% 出来ている:25.6%)
    • 新たな資格取得など、学び直し(出来ていない:44.8% 出来ている:12.0%)
    • 副業(出来ていない:44.5% 出来ている:12.6%)
    • スポーツなどの健康促進(出来ていない:44.1% 出来ている:15.6%)
    • 転職(出来ていない:40.1% 出来ている:6.5%)
    • 資産運用(出来ていない:33.5% 出来ている:18.0%)
    • 各種サークル等、地域のコミュニティへの参加(出来ていない:28.8% 出来ている:7.6%)
    • NPO法人など、非営利活動への参加(出来ていない:11.9% 出来ている:2.0%)

※注意:「出来ていない」は行いたいと思っているが出来ていないことをいいます。

老後にはある程度の貯蓄が必要だと感じ、実際に貯蓄出来ている人、出来ていない人の割合は半数ずつという結果になりましたが、趣味や資格取得、副業や転職などについては、行いたいと思っていても実際には行えていない人の割合が多くなっています。

老後のために何かしなくてはという気持ちはあるものの、実際には出来ていない人が多いことから、子育て世代の多忙さが伺えますね。