人生における3大支出と言えば「住宅費」「教育費」「老後費用」ですが、その中で最も無駄遣いに走ってしまいがちなのが「教育費」。

住宅費は高額であるため、誰もが自然と慎重になりますし、老後費用も退職金や年金があてにできないだけあり、不安感から慎重になります。

しかし「教育費」だけは、可愛いわが子の可能性を広げようと、成果が出るか出ないか分からないまま、とりあえずやらせてみようと行動してしまいがちであり、そこに慎重さはありません。

そんな中、教育費こそコスパを意識した価値ある支出をするべきだと『年収1000万円「稼げる子」の育て方』の著者である林 總さんは言います。

また林 總さんは著書の中で、「なんとなく通わせている習い事や塾は教育費とは言わず、単なる親の浪費」だと言っているのです。

では、可愛い子どもの可能性を広げ、浪費に走らないコスパを意識した行動とはどのようなものでしょうか。

今回は、書籍『年収1000万円「稼げる子」の育て方』を参考に、コスパの高い教育費支出を実現させるために、親が意識したい行動について2つお伝えしたいと思います。

はじめに「成果」を定め、価値ある支出を考える

企業が新入社員や既存社員のスキルアップのために行うのが「社員研修」ですが、子どもの教育費はこの社員研修にかける費用と同じです。

社員研修は「社員にこういう人間になって欲しい、こういうスキルを身に付けて欲しい」という具体的な「成果」を見定めて行われるものですが、子どもの塾や習い事はどうでしょうか。

「これからの時代は英語が必要だからとりあえず習わせてみよう」「友達がやっているからうちもやらせなくては」などというように、具体的な「成果」を定めず、何となくやらせているケースが少なくありません。

企業は社員研修にお金を掛けて実施しますが、掛けた分の見返りもちゃんと意識しているものです。つまりそこにはコスパを意識した行動があります。

それに比べ教育費は、コスパという概念が抜け落ちてしまいがちです。そうなってしまう理由の1つに「親の見栄」というものがあります。

ほとんどの親が無意識のうちに抱いてしまっている「他の子に負けたくない」という想いが競争意識であり、それが見栄の正体です。親の見栄は、教育費のコスパを低くしている原因でもあります。

ですから「英語を話せるようになりたいから英語を習う」「名門私立中学に行きたいから塾へ行く」など明確な「成果」を最初に定め、そこに向けて徹底的に頑張ることこそ価値ある支出ができるというわけです。