これから2020年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたって、より多くの外国人の方が日本を訪れることが予想されます。外国人に接する機会も増えるでしょう。

そんな時、言葉が通じないからという理由で、コミュニケーションをあきらめてしまったら、どうでしょうか。あまりにも残念ですよね。

そもそも、言葉だけがコミュニケーションを妨げる要因なのでしょうか。同じ日本語を話していても、わかりあえないケースが多々あることは、日常を見回してもよくあることです。

相手の立場になって想像してみることは、コミュニケーションを豊かにします。ですが、今の社会の仕組みは、大多数の人間の基準に合わせて作られているため、少数派の立場まで想像力を働かせることはむずかしいのでしょう。

現代の日本社会において、立場の違いによる摩擦はたえません。多様性(ダイバーシティー)の大事さが叫ばれる時代においても、お互いの違いを認めることはまだまだ難しいのです。

今の日本にいったいなにが足りないのかと考えた時、必要なのはやはり想像力なのではないか、と思いました。

想像力が磨かれるエンターテイメントとは?

想像力が発動されるような、今年の夏、ぜひ体験しておきたいイベントがあります。

昨年に続き、2018年7月29日(日)~8月26日(日)に、LUMINE 0 NEWoMan新宿5Fにて開催されるダイアログ・イン・サイレンスです。

ダイアログ・イン・ザ・ダークで知られる一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティが運営する、「静けさの中の対話」というサブタイトルがつけられたこのイベントは、音のない世界で、言葉の壁を超えた対話を楽しむエンターテイメントです。

参加者はまず、音を遮断するヘッドセットを装着して音のない世界の住人になり、表情やボディーランゲージのエキスパートである聴覚障害者の案内のもと、さまざまな体験をします。

いわば、音や声を使わないでコミュニケーションを取らざるを得ないシチュエーションに放り込まれるわけです。

いったいどんな体験ができて、その体験を終えた後、人々のコミュニケーションはどう変わるのでしょうか。ダイアログ・イン・サイレンスの広報の方に、内容について、詳しくお聞きしてきました。

あっという間の90分

ダイアログ・イン・サイレンスの催行時間は90分。けっこう長めだと感じたのですが、と広報の方にお聞きしたところ、

ダイアログ・イン・サイレンスの広報の方(以下、広報)「ひとつの感覚を閉ざすと、普段さぼっているというか、あまり使わない感覚が研ぎ澄まされます。今回、閉ざされる感覚は、聴覚です。初めにヘッドセットを装着し、外の音を遮断、音声でのコミュニケーションはNGという約束のもと、体験がスタートします。

12名で1グループになっていくつかの部屋を体験するのですが、集中しないと難しい場面もあり、90分はあっという間だったと、皆さんおっしゃいますね」とのこと。

広報「普段頼っている言語が使えないことに最初は戸惑いますが、ボディランゲージを駆使したり、顔の表情をうまくつかったりして自分の表現力を高め、相手とコミュニケーションをとれるようになってくると、次第にそれが楽しくなってくるんです」