「初デートは彼の都合で当日の朝キャンセルになりました。それから連絡が取れなくなりました」

──え、もうですか?

「はい。キャンセルについて責めもしなかったのですが、気まずいのかまったく私のメールに反応はありませんでした」

──何通か送っても、反応はナシなんですね。

「ええ。そしてある夜、帰宅してくつろいでいると彼からメール受信。『会える?』一行です」

──何事もなかったように?

「はい。今までの私のメールは読んでいなかったのではないか。日本語が読めないのではないか。手をケガしているので、メールが打てなかったのではないか。そう思わせる雰囲気でした。
『もう夜だから無理よ。週末は?』と聞くと『週末はダメ』……。

この時点でおかしいのですが、好きなので気づかなかった。でも予定を聞いても却下。私の案も却下です。ついに“忙しいのだから、暇になった瞬間にメールで知らせるスタンスで。そのために私はいつでもスタンバイしておく”そういうスタイルにしました。

情けない、と思いましたがそうでもしないと会えない。もう会えないかも。そっちの不安のほうが強くて」

──それからずっとですか?

「数回でしたね。会うことができても無表情で楽しそうではなかったし、私が飛んで行ってもありがたがることはなく終始迷惑そうで。ついに私も我慢できず言いました。『誰かほかにいい人がいるの?』と。

やっぱり迷惑そうに『いないよ』と答えました。本当にいないのだと思いました。最後まで、恋愛特有のテンションはなかったです。そんなでしたから、ずっと別れてからもモヤモヤして……」