2人のオリジン&楽しい学生生活がたっぷり!

もはや致死量に近い、シンシア・エリヴォの美しい歌声をこれでもか!と浴びる事ができる『The Wizard And I』や、全シスターフッドものの原点では?と思わせる『What Is This Feeling?』など、大好きな楽曲を最高の歌唱と映像で堪能しながら、物語は進んで行きます。

魔法大学が舞台となっており、ワクワクするような小道具や舞台セット、それぞれの個性に合った制服など、衣装や美術がとにかく美しく、もう全部可愛い!!

アカデミー賞で、本作が衣裳デザイン賞と美術賞を受賞したのも納得です。

エメラルドシティ行きの巨大な電車を実際に作ったり、冒頭シーンの数秒のために何万本ものチューリップを植えたりと、背景や美術にも手を抜くことなく、こだわりがたっぷり詰め込まれています。

筆者は映画『ハリー・ポッター』シリーズも大好きで長い事オタクをやっていますが、小道具の精巧さや魔法のワクワクなど、随所で近いものを感じるなと思いました。

映画のみならずブロードウェイでも大成功を収めた『美女と野獣』や『アナと雪の女王』っぽいかも!と思える要素もあり、生粋のミュージカル好きだけでなく、ディズニー好きや魔法もの好きの方が観ても、たっぷり楽しめると思います♪

みんな大好きになっちゃう!魅力的なキャラクターたち

ただでは通さない雰囲気を醸し出す、ミシェル・ヨー演じる「モリブル先生」に、股下推定7mの爆イケ王子「フィエロ」。

そして、ただのモブキャラ善人にしてはあまりにも歌が上手い「ボック」、悲劇的なまでに美しいエルファバの妹「ネッサローズ」など、物語が進むにつれ、筆者にとって初めましてなキャラクターが続々と出てきます。

ストーリーやキャラクターを知らないご新規さんでも、見た瞬間に大好きになってしまう、魅力あふれる描き方はさすが!

楽曲だけは知っているので、「あっ、あの曲はこの人が歌うんだ!」という驚きと喜びもあり、ストーリーを知らないからこそ、何もかもが新鮮で飽きずに観られるところが良かったです。

とはいえ、楽曲には愛着があるので、もうイントロの時点から「来るぞ…来るぞ…」とワクワクできるし、サントラで聴くことしか出来なかった大好きな楽曲が、最新の歌唱と最高の映像付きでアップデートされ続けて行って、もう最高!!

一瞬で過ぎ去る“2時間40分”

明るく楽しい学園生活の中で次々に登場したこのキャラクターたちが、続編の映画では一体どうなるのか…?

先のストーリーを全く知らないからこそ、ドキドキしつつも今は純粋に楽しんで観る事ができ、そこも良かったかなと思います。

舞台版を何回も観に行くような筋金入りの『ウィキッド』ファンはもちろん、そうじゃない人もたっぷり楽しめる『ウィキッド ふたりの魔女』。

美術や演技、歌唱などはもちろん、やはりその作り方と魅せ方、脚本が素晴らしい!

そもそも、一切妥協せず全てを盛り込んで、第一幕の内容だけで2時間40分もの映画にしてくれたミュージカル界のスペシャリスト、ジョン・Ⅿ・チュウ監督が、もう凄い。

上映時間を最初に聞いた時、そんなに長いの?!と驚愕しましたが、観終わってみると本当に一瞬。体感1時間ないぐらい?

かと言って足りない感覚は全くなく、それだけ引き込ませる楽曲やストーリーの力が強いのだと思います。

そして、この長尺の第一幕、最大の山場である『Defying Gravity』という楽曲。

この1曲を聴きに行くだけでも、劇場に足を運ぶ価値はあります。凄いです。圧巻です…!