絵本の内容は実体験を基にしています

――全国の子育て中のママが共感する内容だと思います。反響はいかがですか?

えがしら「いつもの反響とはタイプが違う感じがします。

子育て奮闘中のお母さんが『今まさに夜中に(子どもの夜泣きで)起きていて…』っておっしゃったり、中学生のお子さんを持つお母さんが、出産した日の思い出話をしてくださったり、大学生の息子さんのお父さんが『ほんとに一瞬でしたねぇ』って呟いてたり、それぞれのお話をうかがうことができて嬉しいです」

――現在えがしらさんも子育て中ですよね。ご自身の実際の体験や気持ちなども反映されていますか?

えがしら「絵本に書かれている内容は実体験です。緊張して抱っこしていたので手が腱鞘炎になったり、夜寝ているときはつぶしちゃわないか不安で何度も起きたり、『赤ちゃんの手ってこんなにちっちゃくてしめってるのか』って感動したり(笑)。

娘がいなかったら、こんなに感情を揺さぶられる経験はできなかったなと日々感じてもいます。嬉しいことも大きいけれど、自分がこんなに大きな声で怒るなんて、って、びっくりすることもありますし、子どもの視点と大人の視点で物事を見られるようになって、ますます悩んだり、涙もろくなったり…。

『どうしてこんな経験しなくちゃいけないんだろう』って思うこともありますが、できるだけ何事も楽しんで過ごしていけたらいいなと思っています」

――絵本作家さんということで、やはりふだんからよく読み聞かせなどはしているのでしょうか? おすすめの絵本があれば教えてほしいです!

えがしら「たくさんありすぎて悩みますね(笑)。

今はお友達に興味が出てくる時期で、『ともだちや』は楽しそうに聞いてくれています。それと『うれないやきそばパン』は、1ヶ月に一回はリクエストがある我が家の娘ちゃんロングセラーです」

――理想の母親像のようなものがあるけどなかなかうまくはいかず落ち込んだり、子どもにイライラしてしまったり、でも子どもの笑顔や寝顔に癒されたり…そんなふうに毎日子育てに奮闘している全国のママたちに、改めてメッセージをお願いします。

えがしら「私自身も子育て中なので、毎日悩んだり嬉しかったり落ち込んだりの繰り返しです。

この本を読んで、大変な毎日が少しでも楽になるといいなと思っています。

そして、お時間があったら『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』もぜひ読んでいただきたいです。西原さんの本質をついた考えが凝縮されていて、笑って過ごさないともったいないなと思えてくるご本ですよ」

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「今日は何をして過ごそうかな」と考えながら途方に暮れている、まさに今子育て中のママには信じられないかもしれませんが、子どもとめいっぱいかかわれる時間は本当に短いといいます。

あなたのことが だいすき』は、そんなときに読むとハッとさせられる一冊。最近、子どもの癇癪やワガママに疲れ、怒りっぽくなっていた筆者は、この絵本を読んで思わず涙が出てしまいました。

今しかない時間を楽しんで、大切な我が子に「だいすき」をたくさん伝えられる日々を送りたいですね。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。