しつけっていったい何歳からスタートしたらよいのでしょうか。
例えば「テーブルの上に乗ってはいけない」。こんなルールを赤ちゃんは本能として知って生まれてくる訳ではありません。そうなると親が教えることになるわけです。その適切な開始時期とは?
『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』の著者の立石美津子が“しつけのスタート時期”についてお話しします。
1歳児がこんなことをしたらほっておく?しつけける?
- 靴のまま部屋に上がろうとした
- 食卓の上に足を上げた
- 絵本を破った
- 図書館で借りてきた本にクレヨンで絵を描いた
- 床に落ちたお菓子を食べようとした(家の中、または公園のベンチ)
こんなとき「まだ小さいから仕方がない」と何も言わずにほっておいた方がいいのか、はたまた、ビシバシとしつけけた方がいいのか、凄く迷いますよね。
教えなくても知っていること、教えないと伝わらないこと
赤ちゃんは生まれた直後からおっぱいを探し、母乳を飲もうとします。首が座る、寝返りを打つ、お座りする、立つ。
これらは親が一生懸命「さあ、今から首が座るための練習をしましょう」、「さあ、今日は寝返りの特訓ですよ」と教えなくても、時期が来れば誰かに教わることもなく、自然に出来るようになってきます。
自動的に脳に組み込まれたシステムのようなものですね。
ところが…
- 食事中は席を立たない
- 手を使わないでスプーンやお箸を使う
- 友達の遊んでいる玩具をいきなり奪いとらない
これらのことは誰かが教えなくてはわかりません。脳に組み込まれたシステムでもなく、生まれつき本能として持っているわけではないからです。
しつけとは文化を伝承すること
ご飯を音を立てて食べる
実は、しつけとは文化を教えることなんです。ですから、国によって基準も異なります。
例えば、蕎麦やラーメンなどの麵類を日本人はズルズルと音を立てて食べますが、外国人はこれを見て「行儀が悪い」と感じるそうです。また、日本では人前でオナラをすることは恥ずかしいことだと考えますが、人前でゲップをすることはオナラをよりも恥ずかしいことと考える国もあります。
手で食べるのが良いとされる国が多い
子どものしつけの場合、例えば“手で食べ物を食べてはいけない”というルールがありますが、実は全世界共通ではありません。世界の約44%の人が主に手で直接ものを掴んで食事をしています。しかも国によっては「神聖な手である右手で食べるのがルール」という国もあります。
でも、日本に住んでいながら3歳になっても手を使って食事をしていたら、「行儀の悪い、しつけが出来ていない家庭の子だ」と後ろ指を指されます。ですから、日本に生まれたのならば、手先を上手に使えるようになる年齢からスプーンや箸を使えるように教えていくことになります。
つまり、そこで生活していく上で「人に不快感を与えないように」の文化を伝えていくことがしつけなのかもしれませんね。