みずみずしい果肉と柑橘類の爽やかな香りで、食卓を豊かにしてくれるグレープフルーツ。美味しいのはもちろん、さまざまな健康成分を含むフルーツであることをご存知でしょうか。

健康に役立つ成分が豊富に含まれている、グレープフルーツ

グレープフルーツには「ビタミンC」や「クエン酸」、「カリウム」、「ペクチン(食物繊維)」、「ビタミンB1」、「葉酸」、「ナイアシン」などの健康に役立つ成分がたくさん含まれており、その健康成分にはメラニン色素沈着の防止や整腸作用、コレステロール低下、貧血予防、疲労回復、そして心血管系疾患とがんの予防など、多くの美容・健康効果があるといわれています。

また、グレープフルーツはフルーツの中でも血糖値の上昇速度の指標である「グリセリンインデックス(GI)」値が低いことで知られ、食事のさいにグレープフルーツを併食することで血糖値やインスリンの上昇が抑えられるとされています。

グレープフルーツダイエットは女性の方なら一度は聞いたことがあると思いますが、最近の研究によりグレープフルーツに含まれる「ナリンギン」や「リモネン」、「ヌートカトン」といった健康成分によるダイエット効果が注目されています。
 

食べても太らないといわれる、そのワケは苦味と香り成分に?

「ナリンギン」、「リモネン」、「ヌートカトン」。あまり聞き慣れない名称かもしれませんが、実はみなさんがグレープフルーツを食べるときにいつも感じている、とても身近な成分です。その性質と働きについて、簡単にご説明しましょう。

「ナリンギン」はポリフェノールの一種で、グレープフルーツの果皮付近に多く含まれる苦味成分です。そのため、グレープフルーツジュースから効率的に摂取することができます。「ナリンギン」には抗酸化作用や血中脂肪酸の分解、免疫力アップ、食欲抑制などの働きがあるといわれています。

一方、「リモネン」と「ヌートカトン」はグレープフルーツの香り成分で、体内の脂肪燃焼を活発にする働きがあります。この香り成分が交感神経を刺激することで体内の脂肪燃焼スイッチが入り、代謝を高める効果があると考えられています。

実際、大阪大学のグループが発表した研究によると、ラットにグレープフルーツの香りをかがせるだけで体重が減少したそうです。昔から「良薬は口に苦し」といいますが、それはグレープフルーツの苦味にも通用するみたいですね。

また、カリフォルニア大学バークレー校の研究グループが10月に発表した論文でも、マウスにグレープフルーツジュースを飲ませたところ体重減少が起こったと報告されています。

興味深いことにこの研究では、グレープフルーツジュースと同時に高脂肪食を与えたマウスのグループのみに体重の減少(グレープフルーツジュースの代わりに水を与えたマウスのグループと比較して、18%減少)が観察され、低脂肪食を与えたマウスには大きな変化がなかったそうです。