最高の舞台に、最高の楽曲。Negicco史、TIF史に残る『雫の輪』
きらめく夜景を背景にして、始まった曲は『雫の輪』。最高のシチュエーションで、壮大なバラード曲を披露してくれました。これが凄かった、ただ凄かった…。Negiccoのライブを見て約9年になりますが、これまで見た、どんなステージの中でも、最も感動的だったかもしれません。こんな瞬間があるなんて、思ってもみませんでした。
冷静に考えれば、どれだけ盛り上げられるかを競い合うアイドルフェスというよりも、じっくりと音楽を楽しむ色合いが強い野外フェス「NEGi FES」を毎年オーガナイズしている経験が、ここで活きたように感じます。アイドルフェスの、しかもステージの大トリで全員を座らせるなんて、なかなかない発想です。そういえば、この日の選曲は『圧倒的なスタイル』を封印していたんですね。そこを不満に思わせない強さがあります。
そして、Negiccoのバラードの中でも、『雫の輪』という武器を得たことも大きな収穫でしょう。自分自身について赤裸々に語るような『私へ』、ファンへの愛情を真摯に表現した『愛は光』、そしてより普遍的な物語性を感じさせる『雫の輪』という3曲は、これからのNegiccoの道を切り開く楽曲になっていくかもしれません。
『雫の輪』を歌っている3人の声は、HOT STAGEの不安定さが嘘のように、まっすぐと広がり、綺麗に混ざり合っていました。このステージを見た方の心に、まっすぐ届いたのでないでしょうか。この日も、最後の最後に特大級の感動をくれました。これだから、Negiccoのステージは見逃せない…。Negiccoの、いや、TIFの歴史に残る一場面だったのではないでしょうか。
ふたつの、まったく正反対の「祭り」を駆け抜けたNegicco。これまでも、途中で心配になるところがありながらも、最終的に凄まじい感動を与えてくれる、という展開が多いように感じます。何年たっても飽きないNegiccoの魅力、まだまだお伝えできればと思います! 今回のレポートは以上です。