大変ご好評いただいた中華編に続いて、第2弾はおまちかねイタリアン! もちろん今回も素敵な先生をお招きしています。浅妻千映子さん 雑誌「ウレぴあ」でも連載をしていただいており、「東京最高のレストラン」の選者でもあります。この人に聞けば間違いなし。そしてお店はご存知「サイゼリヤ」。ただの安いファミレスだと、あなどってはいけません。数年前、私が尊敬するグルメ評論家が「サイゼリヤでワイン飲んで、生ハム食べたらさ、別にこれで十分じゃないって思ったよ」とおっしゃっていたのを覚えています。それでは行きましょう!
前菜の選び方は?
では浅妻さん、まずは食前酒を飲みながらメニューをゆっくり見ましょうか。シャンパンなどの泡が主流ですよね。
「そうですね、イタリアなのでスプマンテね。泡系は食事前に胃を活性化させるからいいっていいますよね。でもお腹が膨れてしまうこともあるから一杯程度にとどめるのが無難かな……」
そうですか。どっちにしてもスプマンテ無いです。では白ワインをグラスで。100円ですよ!
すごいなあ。で、まず前菜ですね。
「基本は前菜・パスタ・メインです。そうそう、イタリアンはその業態によって“リストランテ”“トラットリア”“オステリア”“ピッツェリア”と分かれているんですよ。高級なのがリストランテね」
一番の違いはなんです?
「リストランテは客が勝手にお皿の料理を取り分けたり、手を使ってはいけないの。あくまで基本ですけどね」
でも基本は知っておいたほうがいいですね。そうそう前菜。やはり野菜とか魚なんかをバランスよくですか。
「うーん、それでもいいけど全体を見て考えるのが賢い選び方。今日、この店で一番食べたいものはなんなのか。例えばこのお店なら名物がドリアでしょ? じゃあドリアを中心に考えたとき、前菜はどうするか。クリームベースだと重なってしまうから止めようとかね」
あー! メインが肉なら前菜は魚にしようとかですね。皿数はどれくらいがいいんです?
「ひとり一皿だけど、そこはお店の人との会話ね。一皿の分量はどれくらいですか? メインまで食べるとしたら、前菜は何皿が分量的にいいですか? 名物はあります? なんて遠慮せずに会話して聞けばいいんです。サイゼリヤはプロシュートがいいらしいから、これは取るとして、あとはそれぞれ一皿ずつオーダーしましょうよ。私は定番のモッツァレラとトマトにしようかな」
じゃあ僕はおいしそうなのでムール貝のガーリック焼きで。フォッカッチャも頼みましょう。
「プロシュートもモッツァレラも、この値段なら十分おいしいわね」
ですよね。さあ、パスタです。ひとつは名物のミラノ風ドリアですね。
「うん。普通のイタリアンではあんまり見ませんけどね…」
いいじゃないですか! イカの墨入りスパゲティはどうです? 30年続くロングセラーって書いてますよ。さっき店員さんもお酒を飲む人がよく頼みますって言ってました。