さあ、いよいよメインです。イタリアンはフレンチに比べてメインが弱いといいますが本当ですか。

「それはあくまで日本の話ですよ。ほら、日本人はパスタが大好きで、メインを頼まなかったりするでしょ。そうすると良くならないですよね」

そっか。注目されないと頑張らないですね。今日は一番高いリブステーキ929円にしましょうか。二人で取り分けましょう。ダメですか。

「こういうカジュアルなお店なら問題ないです。サイゼリヤでは無理ですが、お店の人に最初から取り分けてってお願いするのもいいですし。取り分けるのも食の細い日本人の特徴みたいですけどね」
 

ふーっ。あらグラッパもありますね。

「食前酒は無いけど食後酒はあるのね」

頼みますから!
 

イタリアンのデザートはフルーツがいい

最後にデザートですが。

「イタリア料理ってパスタもそうだし、デザートにも意外と粉ものが多い。だから気をつけないとけっこう重くなるんですよ。翌日ドカッと体が重くならないように、あえてフルーツだけのデザートを選んで、さっぱり終わるのもいいと思いますよ」

だからイタリアンにはフルーツのデザートが多いんですね。と、言いつつおいしそうなのでハーフアイステラミスと、ミルクアイスのせシナモンフォッカッチャ頼みました。
 

「……」

いや、だって、フルーツないじゃないですか。
でもすごく、勉強になりました! 最後においしいお店を選ぶコツを教えてください。

「自分が何を食べたいのかをはっきりさせることです。どんなにおいしいイタリアンでも、イメージと違ったらショックですよね。ガツンとした肉が食べたいのに、小皿でちょこちょこ出てくる店だったらがっかりだし、手打ちパスタが食べたいのに乾麺しかない店にあたったら悲しすぎる。まず食べたい料理をイメージして、その料理が評判のお店から選んだらいいですよ」

ありがとうございました! おお、あれだけ頼んでふたりで5020円。バーミヤンより安かったです!

1965年東京生まれ。ぴあ株式会社グルメ統括プロデューサー兼『東京最高のレストラン』編集長。主な編集作に『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)、『一食入魂』(小山薫堂)、『宮部みゆきの江戸レシピ』、『行列レストランのまかないレシピ』(森脇慶子)など。2001年にプロによる完全実名評価本「東京最高のレストラン」を創刊。